最近では、AIに人間の仕事が奪われるということがちょくちょく話題になっています。
これから医療事務になろうと考えている人、現職で医療事務をしている人にとっては
「医療事務って今後はどうなんだろう?AIに代わられたりしないのな…」
なんて考えてしまいますよね。
先に私の結論をお伝えすると、
- AIが出来る作業は全てAIへ
- AIができない人間相手の業務を人間が行っていく
といった流れが主流になるのではと考察しています。
本記事では、医療事務の現場で10年以上働ている私が、医療事務がAIに取って代わられる仕事なのかどうかを考えていきたいと思います。
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そもそも基本的には医療事務の業務は人間相手が多い
医療事務のメインの仕事はレセプトと並行して、受付業務がメインとなっています。
そこで行う業務と言えば人間(患者)相手のいわば接客です。
現代社会では、受付をロボットが行っているケースも珍しくはなくなってきました。ペッパー君とかね。
しかし、それでも病院の受付は他のサービス業とはことなっている部分があります。
それは患者、つまり人間を相手にしているということ。
AIに人間の不安や心配事などの不安がわかるでしょうか?わかったとしても、相手は老人や不安を抱いている人が多いでしょう。AI、ロボットにちゃんと話が通じ、相手の意図を読み取ることができるでしょうか?
作業効率”だけ”を考えるのであればAIに仕事を任せたほうが効率的なのかもしれませんが、”人間相手の仕事”ということを考えるのであれば、全てをAIに任すことは難しいでしょう。
おそらく、対人間相手には、当分の間は人間でないと医療現場という特殊な環境ではAIは対応できなのではないでしょうか。
急患の対応を迅速に対応できない
医療機関という特殊な環境のもとで、急患を受け入れる場合には一刻を争う事態も少なくありません。そうなった場合AIだけでは対応できないでしょう。
- 状態の聞き取り
- 身元の確認
- 家族への対応
少なからず、人間が行わないとできないような作業ばかりです。
たとえ、迅速に対応できるAIができたとしても、今、この記事を読んでくれている世代の人たちが生きている間にそんな高機能のロボットが各医療機関にあるとは考えられません。
クレーム対応は不可能と言い切れる
医療事務の業務の中には患者からのクレーム対応があります。当然といえば当然ですがAIにクレーム対応はできません。
クレームの多くの理由は、
- 待ち時間の苦情
- 対応への不満
- 状態に関する不安や悩み
こういった人間だからこそでてくる感情的な部分です。
これらの対応がAIにできるでしょうか?
100%、クレーム患者の怒りを逆にかってしまうでしょう。
そもそもクレーム対応は、人間の誠実さを表すことが大事なのにAIに対応させては本末転倒です。
レセプト作業は効率化されて負担が減る
医療事務の主な仕事の中に受付と同じぐらい重要なものがあります。それがレセプト業務です。治療行為を保険請求として行うための作業のことですね。
現状でもレセプト作業を効率化させるために、専門のレセコン、レセプトチェックソフトを使用している医療機関は多いと思います。
その数に比例してレセプトの作業時間も大幅に減ってきています。
そう考えた時に、確実にレセプト作業などの事務的な作業の場合はAIが活躍する機会は増えるでしょう。
また、AIを導入することで医療機関にとっても残業代の削減などが行えたり、職員も勤務時間が減り精神衛生上も良い結果となるのではないでしょうか。
細かいレセプト作業関係はまだまだ手入力
レセプト作業自体は、すでにコンピューター化が進めらえているのでAI化に現実味があります。
また、電子レセプト請求を行う際も国保連合会や支払基金(保険請求を行う先)では、ほとんどをチェックソフトで行っています。
それだったら、医療事務なんて必要ないのでは?と今からでも言われそうですがそんな事はありません。
項目ごとのチェックも必要ですが、レセプトには医療機関ごと、治療内容ごとの細かい治療内容報告の作成(コメント)も必要なのです。
こればっかりは、医療機関ごとの決まり事、治療内容事の流れが異なりますのでチェックソフトだけでは行うことはできませんし、今後、AIが作れるかというと事例ごとに異なるので難しいと思います。
もし、作れる技術があれば医師の存在自体が不要の時代となりそうですもんね。
細かい治療内容報告(コメント)を付ける場合というのは、ほとんどが診療報酬請求できる適切なものか微妙なラインだけど、本当に治療の必要性があっておこなったものに対してつけています。
病院側として、行った治療分の費用はしっかり請求したいのでコメントを付けていくんですね。
これらの作業がAIにできる未来は遠いと考えられます。
AIを導入するにも大きな費用がかかる
AIがどれだけ素晴らしい!!といってもコンピューターなので設置や導入にかならず費用が掛かってきます。当然ですが、設置や維持費などはタダではありません。
そう考えた時に、今後、その費用がどれだけ抑えられるかがポイントになると思います。
あまりに導入や保守の費用が高いようであれば、その分、人間を雇ったほうが安くつくかもしれません。
逆に安ければ、人間はパートとかにして、AIに力を入れるといった現象も起こりえますね。
そこらへんの費用によって、医療事務がAIに代わられるか代わられないか、大きく違ってくると思います。
ただ、今後、国などによって補助金等も考えられるので、そういった場合は爆発的に普及するかもしれませんね。
管理ソフトや会計ソフトは充実していく
多くの医療機関では、コンピュータ上で看護師さんの勤怠管理を行い、施設基準における人員配置(病院を経営していくうえで必要な決まり事のようなもの)の調整を行っていると思います。
いままでは、アナログに計算していたところも近年は、技術の進歩により勤怠管理ソフトにより簡単に管理できるようになりました。
人間でなくても、出来るような仕事は今後たくさんでてきます。
ほかにも、受付で会計していたものが、無人のレジになったりと、確実に技術は進歩していく可能性はあります。
なので、”人間でなくもできるような仕事はどんどん減っていく”と考えるのが自然かもしれません。
まとめ
私自身も医療事務で10年働いてい不安になったことがありますが、こうやって冷静に分析していくと医療事務の仕事がAIに代わられる日は、私達が働いている間の普及は難しいのではないかという結論に達しました。
もう一度まとめると、
- 医療事務は人間相手の仕事が多いのでAIに完全に取られる可能性は低い
- 事務作業系はAIで効率化される確率は高い
- AIの導入、維持費を考えるとまだまだ先のことになりそう
医療事務で特に重要なスキルはコミュニケーション能力です。
ここがAIに表現するのがもっとも困難な部分だと思いますので、まずは自分の強みがなんなのかということを再認識してしていきたいですね。
また、それに伴い自分たもAIに代わられないように独自の強みやスキルを身に着けていくことが重要です。
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