休日当番医に「休日加算」が算定できる医療機関というのは結構あると思います。
ただ、その休日加算も休日に受診したら全ての患者に算定できるかといったらそうではありません。
患者の病名、状態、病院の診療体制によってはじめて算定できる項目となっています。
では、その休日加算が算定できる場合とはどのようなときなのでしょうか。
本記事では、早見表に書いてある事ではなく、実務上での例を挙げて医療事務向けに説明してみました。
そもそも当番医とは
当番医とは、都会などではあまりなくて、特に地方にある医療機関で行われるものです。
普通、休日や夜間の受診は都会であれば「救急病院」があるため、決まった病院で受診をすることが可能です。
しかし・・・
田舎になればなるほど人が少ないので救急病院というものがないんですね。
そのため、休日や夜間の病院がやっていない時間はどうしたらいいの?
ということから、地方では各地域の病院が変わりばんこで、都会でいうところの救急病院の役割を担っているわけです。
なので、当番医は毎日、毎週ごとに医療機関が違ってくるわけです。
それが”当番医”というものです。
※基本的には医師会病院などがある地域では、そこが救急病院の代わりとして機能しているようですが、さすがに一つの病院だけでは手が回らないということで各医療機関がローテーションで対応している。
もちろん、当番医でなくても、依頼のあった病院が受診の受け入れをOKであれば受診はできます。ただし、これは当番医とは関係ないです。
普通の休日受診ってやつになります。
どんなときに算定できる
時間外加算や休日加算は「診療時間外に診察が必要な緊急を要する場合」に算定するものです。
なので、基本的には緊急性がなければ算定できない項目となっています。
そもそも、緊急性がなければ受診自体しないとおもいますが。
定期薬はダメ
患者さんが『定期処方が切れたから今からだしてもらえないだろうか?・・・』
と問合せがくることは、小さな病院、中規模病院なら頻繁にあると思います。
この場合・・・
定期処方のためだけに来た場合は、緊急性があるでしょうか?
処方だけの場合、緊急性は認められないでしょう。
なので算定は難しいと考えられます。
ただし、私の病院では休日に受診した場合すべてに休日加算を算定していた時期があったのですが、長い間査定などを受けたことはありませんでした。
しかし、後述する例で査定の手前までされたので、その後から状況によって算定するかしないか見極めることになりました。
初診ならOK
定期処方のための受診での休日加算はダメですが、同じ患者さんでも新しく病名がついていればOKです。
極端に言えば、定期処方を希望している方で『今日は胃も痛いから胃薬が欲しい』ということで来院。
定期処方とは別で胃薬を処方し、新しい病名をつけたら休日加算は算定できます。
審査機関も緊急性があるかないかなんてレセを見てもわからないので、病名の日付をみて判断をしているのでしょう。
過去に休日加算を算定した患者に病名をつけないまま請求をしたことがあったのですが、減額まではこなかったのですが医療照会(返戻のコメントみないなやつ)が届いたのでコメントで対応したことがあります。
これが結構理由を考えるのが大変だった(緊急性がない受診だった)ので、事前に算定時に判断していればそんな手間はかからなかったのかなと後悔しました。
事前の予約もNG
連日、処置などを行っている患者さんで、休日を挟んで処置を行う場合は、予約をしておき休日にくるというパターンもあります。
この場合も休日加算を算定しないのがベターでしょう。
やはり、新しく病名を付けるのも難しいでしょう。
また、病院側もこの日に来院する!!と分かっていれば、救急の対応とは異なってきますからね。
基本的な考え方のまとめ
休日加算の基本的な考え方としては、病院自体はお休みだけど、急を要する患者さんのためにだけに医師や看護師さんが診療の準備をして診察を行ってあげる。
その準備が手間だったり、普通の休日であればかからないような手間を病院にかけさせた時の手間賃として評価したものが休日加算だとおもいます。
(この考え方はどこかに記載されているとかいうわけではありませんが、算定基準とか通則とかの概要から考えるにそういった事に対する評価なのかなと思っています。)
なので、上記のようなパターンの場合には算定しない方が良いという結果に結び付くわけですね。
休日に受診=休日加算という単純な考えはやめて、休日であってもその時の状況を見極めてから医事の入力を行っていきたいですね。