算定の実例集

悪性腫瘍特異物質管理料と腫瘍マーカーの違い それぞれの算定の流れとは

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医学管理料の中で、特定疾患療養管理料、特定薬剤治療管理料ときて次ぐらいに覚えいくのが、この腫瘍マーカー検査を行うことで算定できる悪性腫瘍特異物質管理料ではないでしょうか。

 

対象疾患もいろいろとあり、また、検査の種類や算定のタイミングに迷う部分も多いかと思います。

 

今回は、その悪性腫瘍特異物質管理料と腫瘍マーカーの算定方法についてまとめたので書いて行きます。

 

そもそも悪性腫瘍特異物質管理料とは

癌細胞は、特有のたんぱく質や酵素を作り出しており、それが微量ながら血液や尿、乳汁などに流れ出してきます。

 

腫瘍マーカー検査は、その異常の兆候を見つけるための、がんの診断法として使われます。

腫瘍マーカー検査によって、身体のどの部分にできた癌か、癌の細胞はどんな性質か、どの治療が有効か、手術後にとり残しがないか、再発がないかなどを調べることができます。

 

しかし、多くの腫瘍マーカーには、癌に関係なく増えるなど不確実なところがあり、これだけで癌の有無を診断することはできません。

 

あくまで、補助診断法という立ち位置での検査を行うといった感じです。

 

腫瘍マーカーの算定

腫瘍マーカーの算定から悪性腫瘍特異物質管理料の算定までについては、早見表や手引きに詳しく書かれていると思います。

 

簡単に概要を説明すると、癌が疑われる患者に腫瘍マーカー検査を行い、その結果、癌と確定した場合は、以後は悪性腫瘍特異物質管理料の管理料として算定しくださいねといった感じの検査になります。

 

ここまでは、簡単に理解できるかなとは思うのですが、実務の中で、これはどうしたらいいのかな・・・

ってパターンが何個かあるので、例を挙げていきます。

 

本来の算定の流れ

腫瘍マーカー検査って、本来であれば、血液検査だったり画像検査を行った後に”癌の疑いがある”場合に実施する検査なんですよね。

 

なので、いきなり腫瘍マーカー検査から行うっていうことはあまりないはずなんです。

いままで検査を行った事がない患者に対して腫瘍マーカー検査を実施していたら、まず査定されるでしょう。

 

ただ、かかりつけの患者さんは定期的に採血等の検査を行っているので、そこまで他の検査をしたのか、というところを気にする必要はないのかもしれません。

 

注意点

腫瘍マーカーの算定にあたり、特に注意しなければならないのは、癌(もしくは癌術後)の患者に対して、他の部位に癌の疑いがあり、それに対して腫瘍マーカー検査を実施した場合です。

どんなパターンかというと・・・

 

A癌の患者にB癌の疑いがある場合

こういったケースを算定するにあたり、通則にもあるように算定の原則があります。

“悪性腫瘍の診断が確定し、計画的な治療管理を開始した場合、当該治療管理中に行った腫瘍マーカーの検査の費用は、悪性腫瘍特異物質治療管理料に含まれる”(保医発通知より)

このようにありますので、算定の考えとしては、悪性腫瘍の治療管理中に、他の悪性腫瘍(の疑い)が発生した場合、因果関係にかかわらず、包括的に治療管理する必要があるため、悪性腫瘍特異物質治療管理料として算定する。

 

といった感じの算定方法になってきます。

 

算定例1

A癌、B癌それぞれに対して腫瘍マーカー検査を実施した場合

算定としては、悪性腫瘍特異物質治療管理料を2項目で算定する(検査の部では算定しません)。

 

算定例2

B癌に対してのみ腫瘍マーカー検査を実施した場合。

算定としては、悪性腫瘍特異物質治療管理料を1項目で算定する(検査の部では、算定しない)。

 

こんな感じで、対応していくかたちになるのではないかなと思います。

 

返戻された事例

実際に、私の病院で査定された事例として

・胃がんが病名あり(他院からの紹介で、当院では治療を行っていないが、既往症として病名に入れていた)。

・今回、新しく前立腺がん疑いがあり、PSA検査を行った。

パターンとしては、上記の算定例2の状況に似ています。

 

この患者状況に対しての算定としては、PSA検査の腫瘍マーカー(検査の項目)で算定していましたが、これが査定されました。

 

審査側の言い分として、『胃がん』の病名がもともとついているんだから、悪性腫瘍特異物質管理料で算定するべきでは?といった見解でした。

 

解釈的にはそうなのかもしれませんが、こういった事例って、ほかの病院でも結構あると思うし、納得できなかったので、再審査にしました。

 

再審査のコメント

上記の理由で返戻されたものに対して、コメントを付けて返戻の請求のやり直しをおこないました。

内容としては、

『胃がんは他院からの紹介時についていた既往症であり、当院では治療を行っていません。今回は、前立腺がんが新しく疑われたため、腫瘍マーカー検査として請求しています。』

と適当なコメントです。

 

これが正解だったのかはわかりませんが、いまのところは、その後の返戻等はありません。

 

ちなみに、検査料で算定するより、管理料で算定した方が点数が高いので、審査機関は好意で注意をしてくれていたと考えられます。

 

医事コンの設定方法

腫瘍マーカー検査を算定するときには、その患者の既往症(病名)を確認することが大切です。

 

最近では、医事コンが自動で腫瘍マーカー検査⇒悪性腫瘍特異物質管理料へ変換を行う機能もありますが、今回、検査を実施するほうじゃない癌に対して、管理料が算定されてしまうという事もあります。

 

そうなると、上記の例でいくと、PSA(前立腺がん)の検査をしたのに、胃がんで管理料は算定されてしまうという状況になってしまうこともありますので、ここらへんぐらいは確認が必要でしょう。

 

まとめ

最近は、腫瘍マーカー検査のほとんどが自動で医事コンが悪性腫瘍特異物質管理料へ変換してくれます。

とても便利な機能ですが、自分自身で悪性腫瘍特異物質管理料がどんなものなのか理解していないと、必ずミスが生れてきます。

 

なので、必要最低限、入力者は病名の確認ぐらいは行い、今回の検査で本当に悪性腫瘍特異物質管理料を算定できるのか?ということを調べておくことも重要だと思います。

 

 

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