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なぜレセプトは審査機関が決まってるの?根本的な理由から説明していきます

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保険診療に関わるほとんどの人は医療費の支払いには審査があることを知っています。

医療事務でれば、それがメインの仕事なので当たり前のことなのですが、意外と、法的な根拠を知る人は少ないと思います。

 

別に知らなくても通常の業務には差し支えないとは思いますが、知っていても面白い知識だと思いますのでまとめてみます。

 

法的根拠は健康保険法にあり

被保険者保険の審査の、法的根拠は健康保険法にあります。

第76条は次のように定められています。

(療養の給付に関する費用)

第76条  
  1. 保険者は、療養の給付に関する費用を保険医療機関又は保険薬局に支払うものとし、保険医療機関又は保険薬局が療養の給付に関し保険者に請求することができる費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者が当該保険医療機関又は保険薬局に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。
  2. 前項の療養の給付に要する費用の額は、厚生労働大臣が定めるところにより、算定するものとする。
  3. 保険者は、厚生労働大臣の認可を受けて、保険医療機関又は保険薬局との契約により、当該保険医療機関又は保険薬局において行われる療養の給付に関する第1項の療養の給付に要する費用の額につき、前項の規定により算定される額の範囲内において、別段の定めをすることができる。
  4. 保険者は、保険医療機関又は保険薬局から療養の給付に関する費用の請求があったときは、第70条第1項及び第72条第1項の厚生労働省令並びに前2項の定めに照らして審査の上、支払うものとする。
  5. 保険者は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金法 (昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(第88条第11項において単に「基金」という。)又は国民健康保険法第45条第5項 に規定する国民健康保険団体連合会(第88条第11項において「国保連合会」という。)に委託することができる。
  6. 前各項に定めるもののほか、保険医療機関又は保険薬局の療養の給付に関する費用の請求に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

つまり保険者は、保険医療機関等に『療養の給付に関する費用』そして、その医療費については、法の『定めに照らし合わせて審査の上支払う』(第4項)となっています。

 

簡単に言えば、自由診療であれば医師は医師法等法律に違反しない限り、何の制限もなく診療を行い患者から報酬を受け取ることができます。

 

しかし、保険診療はそうではありません。

保険診療は財源(集めた保険料)の制限等があることから保険が認める範囲でしか行うことができません。

 

つまり、医療保険等から請求された医療費の審査が必要になってきます。

保険診療はある意味では制限診療とも言えるでしょう。

 

なぜ、支払基金や連合会が審査するのか

健康保険法第76条第5項にその根拠があります。

『保険者は点検委託することができる』とされているが、これには歴史的経緯があり、行政指導が行われています。

 

社会保険診療報酬支払基金が創設された1948年9月まで保険診療の医療費の審査と支払いには、主には医師会もしくは健康保険組合が担当していました。

 

しかし、診療報酬を現代とは異なり、予算の範囲内での人数に応じて割り当てられていたものであり、健康保険組合の場合はその支払期日が6ヶ月か1年後という状況にあったようです。

 

報酬が低く、支払いが不確実の保険診療は、医師及び患者に人気がなく自由診療が主体だったようです。

 

現代のシステムになった流れ

上記とは一変して、戦争の敗戦で流れが変わってきたようです。

 

国民衛生の向上という憲法第25条(すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。)の要請、国民運動や外国の社会保障視察団報告等の後押しもあり、『一枚の保険証で国民がいつでも誰でもどこでも』医療が受けられる体制を確立することを目的に基金が創設されました。

 

当時、自治体が運営する国民健康保険は、全国で一箇所ぐらいしか存在しませんでした。

その普及も念頭に、基金が国民健康保険の診査と支払いが取り行えるような基金法に規定されました

 

支払い基金の目的

基金の主な目的は、当初は医療費の支払いのとこにありました。

しかし、審査という面から医療費制限の役割という側面もあります。

 

基金は、医療保険制度を円滑に運営する上で、重要な役割を果たしているが、利害の反する保健者と医療機関等の間の医療費の調整という難しい立場から、常に非難にさらされています。

 

ここらへんの反発に関しては、心当たりある医療事務員も多いのではないでしょうか(笑)

 

まとめ

支払い基金、連合=減点しくる嫌なやつ というポジションの立ち位置ではありますが、その審査する理由にもこういった理由と歴史が存在するようです。

 

基金や連合も大変なんだ・・・

と思うかもしれませんが、自分の医療機関の利益が一番です。

 

今回、こういった理由で基金や連合が審査しているとわかったとしても、今後も、引き続き査定返戻がないように努めていきたいですね。

 

 

 

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