医療事務の知識

投薬はレセプト病名(適応病名)がなければ絶対に審査に通らないのか?

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基本的に処方に対して病名が無い場合というのは、レセプト時に適応病名を付けて請求を行っていると思います。

これが普通であり、レセプト業務の一環となっています。

 

ただ、この処方に対しての病名というのは、本当にすべての処方に対して必要なのでしょうか?

また、レセプトチェックソフトに記載されていない適応病名以外の病名でもレセプト審査を通過している事ってないでしょうか?

 

私の病院では特に、漢方薬に関しては、適応病名がなくても審査を通過していることがよくあります。

むしろ、定期処方でずっとでている分に関しては、適応病名を付けずにずっと請求し続けています。

 

こういったことから、

薬に対する病名の判断とはどのようにしているのだろう?

わざわざ、すべての処方に病名を付けなくてもいいのではないだろうか?

という疑問がずっとあったので、調べてみましたので、その内容をまとめていきます。

 

レセプト病名と投薬内容を合致させる理由

基本的には薬事法上認められた薬剤の適応病名(レセチェックソフトなどにある適応病名)がレセプトの病名に記載される必要があります。

 

つまり、適応病名に載っている病名があればOKということですが、それだけではないようです。

審査上・・・

①薬理作用の尊重

②記載要領の例外

これらも配慮して審査しています。

 

①の問題については、医薬品の使用は承認内容の範囲内であるかどうかは、患者の病状に合わせて考えていかなければ判断できない。

との立場から、審査にあたっては薬理作業を考慮するよう、厚生省は次のような通知を支払基金に宛ててだしています。

 

保険診療における医薬品の取扱いについて(昭和55.9.3 保発第51号)

保険診療における医薬品の取扱いについては、別紙昭和54年8月29日付書簡の主旨に基づき、下記によるものであるので通知する。

なお、医療用医薬品については、薬理作用を重視する観点から中央薬事審議会に薬効問題小委員会が設置され、添付文書に記載されている薬理作用の内容等を充実方向で検討が続けられているところであるので申し添える。

1 保険診療における医薬品の取扱いについては、厚生大臣が承認した効能又は効果用法及び用量によることとされているが、有効性及び安全性の確認された医薬品を、薬理作用に基づいて処方した場合の取扱いについては、学術上誤りなきを期し一層適正化を図ること。

 

2 診療報酬明細書の医薬品の審査にあたっては、厚生大臣の承認した効能効果等を機械的に適用することによって都道府県の間に置いてアンバランスをきたすことのないようにすること。

 

医薬品の効能効果の審査上の判断は、概ね薬事法上認められている範囲で行われているが、実際には審査委員及び審査委員間において差があります。

 

基金は、審査委員会間の審査基準の差異の解消を図っているようですが、その際のかなりの部分を医薬品の評価に関わるものが占めているのが現状のようです。

 

こうしたことから、総務省は、審査差異の解消を促進する立場から

『医薬品の使用方法の審査にあたっては、薬事法上の効能効果を機械的に適用することによって支部間において審査上の取扱いにアンバランスが生じることのないよう努めて改めて徹底を図る必要がある』

と厚生労働者に勧誘しています(2002年1月「特殊法人に関する行政評価監査結果報告」と「勧告」)

 

しかし、現実には、薬事法上認められている効能効果を基準とした審査が主流で、それを支持する傾向があります。

それだけに薬理作用に基づく医薬品の使用については、慎重な対応が必要になってきます。

 

まとめると

厚生労働省 ⇒ 適応病名なしでも有効性のある薬なら、薬事法(適応病名)以外の病名でも学術的誤りがなければいいのでは?といった感じ。

 

総務省 ⇒ 薬事法(適応病名)統一するように厚生労働省に勧告している。

 

こんな感じでしょうか。

 

厚生労働省も総務省も基金に通知をだしているため、基金としてもどちらを優先したらいいのか?といった感じです。

なので、結局、現状としては審査する先生の判断ということです。

 

ちなみに、②の項目については、佐薬(さやく)の考えだとおもうので、そちらに関してはこちらの記事に詳しく書いています。

佐薬(さやく)とは

 

漢方薬の病名は必要か

上記のことを踏まえると、漢方薬もすべてに適応病名をつけておいた方が無難そうですが、実際に私の病院では漢方に対しては付けたり付けなかったりしています。

 

漢方に関しては、よっぽどツムラとか明らかに病名が必要なものに関しては付けています。

でも、なかには適応病名で『肩こり』とか『食欲不振』とか微妙な病名ってあったりするので、これって本当に病名が必要なのかな?って疑問に思う分に関してはスルーしたりしています。

(あくまで、ずっと処方が出ていた場合です。初めて処方される場合は病名をもらっています。)

 

まとめ

結局のところ、適応病名を付けておくのが無難ということです。

 

ただ、適応病名以外の病名でも、必要に応じて処方することは可能と考えていてもよさそうです。

 

最悪の場合、こういった考え(こういった薬理作用があるので処方しましたとか)でコメント対応してもいいのかもしれませんね。

 

 

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