7月、8月と暑い季節になると増えてくるのが熱中症の患者さんですよね。
9月から10月ぐらいまでは頻繁に受診されるケースも多いかと思います。
通常の保険請求であれば、点滴を行い、状態が悪ければ頭部CT撮影まで行うのではないでしょうか?
それに対して病名を脱水症や嘔吐症などをつけておけば問題はないでしょう。
しかし、これが仕事中の受診だったらどうでしょうか?
熱中症も労災として請求ができる?
また、病名やコメント関係はどういう風にしたらいいのでしょうか?
熱中症を労災として請求する際の注意点をまとめてみました。
労災病名の基本的な定義
労災は”仕事中の病気やケガ”であればなんでもOKというわけではありません。
基本的には、外的要因(外傷)に対してのものとしています。
どういうことかというと、自分の意思とは関係なくケガをしてしまった場合にのみ適応されるということです。
そうでなければ、仕事中のケガとの因果関係がわかりませんからね!
例えば、自分はケガをするつもりはなかったけど、なにかのはずみにケガをしてしまった状況のことですね。
(ちなみに、ボーっとしていた人が、自分の不注意でケガをしても、これは労災になります。あくまで、本人にはケガをするという認識がなかたったためです。)
極端な話ですが、仕事中の病気をなんでも労災で請求OKなんてことにしていたら、風邪をひいた!なんてだけで労災になっちゃいますからね(笑)
さすがに、こういったことにならないためにも、基本的には外傷的な病名をつけるのが望ましいです。
熱中症に対して頭部CT撮影を行った場合
単純に熱中症だと判断して点滴などだけで診察が終わればいいのですが、患者の状態が分からない場合や状態が悪い場合は頭部CTまで行うことがあるかもしれませんね。
そういった場合は、通常の保険請求と同様に「脳出血疑い」あたりをつけておけば無難かもしれません。
しかし、これだけでは上記でも説明したように外傷の病名とはなりえません。
外傷性脳出血にするにしてもちょっと無理がありすぎますしね・・・
ではどうすればいいかというと、「傷病の経過」の欄にどういった経緯で頭部CTまで撮影したのか。ということを記載しておけば問題ないかと思われます。
こうしておくことで、労基の審査側もCT撮影の必要性を把握できますし、わざわざ医療照会や問合せを行うこともないでしょうからね!
点滴を行った場合
点滴を行った場合もCTと同様に「傷病の経過」の欄にどうして点滴をおこなったのか。ということを記載していた方がベターでしょう。
ここらへんは、CT同様に治療行為に対して病名をつけておいたほうがよいでしょう。
請求方法のまとめ
労災は外傷性の病名でなければいけない。などということはテキストなどには一切書いてありません。
ほぼ、私が実際に労基などとやり取りをした事からの経験則です。
なので、一概にこの方法が正しいとは言い切れません。
それでも個人的にはこの考え方には自信があります(笑)
労災の原則的なシステムを考えた時に、必然的にこういった考え方をするのは当然のことですし、そういうための労災だともおもいますので。
それでも、個人の見解が強い部分ではありますので参考まで読んでもらえれば幸いです。