脱臼をした患者に対して行う手技が『関節脱臼非観血的整復術』です。
手術の項目であり、また、単純な算定方法なのですが…
なので、本記事では関節脱臼をした患者が来たときの、医療事務の算定方法の流れについてまとめてみました。
関節脱臼非観血的整復術(肩)の算定の流れ
通常、多いパターンが“肩”を脱臼する人です。とくにスポーツをやっていて脱臼する人が多いようです。
こういった場合の算定の流れとしては、一般的には
①レントゲン撮影
↓
②透視下(レントゲンで撮影しながら)で、整復術を施行していく。
※整復術のイメージとしては、外れた関節を“ポキッ”とはめ込んであげるといった感じです。
↓
③もう一度、レントゲン撮影を行い、ちゃんと関節がはまったかを確認します。
※患者の状態によっては、プロポフォール注など麻酔をかけて整復術を行うこともあります!痛いでしょうからね・・・
算定の形としてはこんな感じです。
・関節脱臼非観血的整復術(肩) 1,500点
+
・X-P肩関節
コメントで(整復前)
+
・X-P肩関節
コメントで(整復後)
といった感じの入力方法になると思います。
整復術を施行するので、手術の手技料は算定できるのはもちろんですが、レントゲンも整復術の前と後で、それぞれ算定ができます。
整復前と後でそれぞれ施行したと分かるようにコメントは必要です。
算定の方法としてはこれで以上です。
治療の流れのイメージさえつかんでしまえば、簡単に覚えられますよね。
胸部固定帯固定を使用した場合
上記の治療で終わればいいのですが、中には整復後に受傷部位を固定するために、三角巾+胸部固定帯固定(バストバンド、ドラコバンド等)を行う事があります。
肩まで含めてバストバンドで固定をして、腕が完全に動かなくなるように固定してしまうというわけです。
こういった場合のバストバンドの算定はどうなるかというと、基本的には算定ができないとなっています。
早見表にもあるように
手術当日に、手術(自己血貯血を除く)に関して行う処置(ギプスを除く)の費用及び注射の手技料は、術前、術後に関わらず算定できない。また、内視鏡を用いた手術を行う場合、これと同時に行う内視鏡検査料は別に算定できない。
(平成30保医発0305-1)
胸部固定帯固定(バストバンド)は、「処置」の項目に含まれるために、上記に照らし合わせたときに算定できないと考えられます。
胸部固定帯固定も算定できる場合がある??
上記では、バストバンドは算定できないとしましたが、過去に私の病院では、『関節脱臼非観血的整復術+バストバンド』で算定をして、請求まで行ったことがあります。
算定方法としては
・関節脱臼非観血的整復術
+
・胸部固定帯固定
胸部固定帯加算
+
・コメントで『脱臼の固定のため胸部固定帯を使用しました。』
などと入れて請求まで行いましたが、特に返戻や査定もなく、審査を通っているようです。
これが正しいのか間違っているのかは定かではありませんが、査定されていないということは、これもアリなのかな?と思っていはいますが、確実ではないでの、現在はこのような算定方法は行っていません。
もしかしたら、保険者の方で再審査請求してくるかもしれませんからね!
⇒レセプト提出後、半年以上も経過してから返戻や査定(減点通知)が来るのはなぜか?
まとめ
私が、混乱してしまっていたのは、バストバンドを使って固定をする。という部分でした。
しかし、こうやって治療の流れさえ分かってしまえば、算定方法も自然と理解もできてくるのかなと思います。
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