医療事務の知識

入院料算定の基本要件等

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入院料算定の基本要件と聞いて、ピンと来る人って意外と少ないのでは?と感じています。

それは、通常の業務では気にしない部分だからです。するとしても入院診療計画書ぐらいかもしれません。

 

入院料を算定するときって、病院によって算定できる入院料が既に決まっていると思います。なので、入力業務を行うときもそれにしたがって入力していきますよね。だから気にする機会ってあまりないんですよね。

 

だからといって、知らないでは後々困ることも出てくると思います。監査が入るときなんか資料を準備するときに必要な書類が分からなかったら困ります。

 

入院料を算定するのに必要最低限の項目を、今回は青本に沿ってまとめてみました。

 

1.入院料算定の基本要件

入院基本料は、基本的な入院医療の体制を評価するものであり、療養環境(寝具等も含む)の提供、看護師等の確保及び医学的管理の確保等については、医療法の定めるところによる他、「病院、診療所等の業務委託について」等に従い、適切に実施するものとし、これに要する費用は、特に規定する場合を除き、入院基本料に含まれる。

 寝具等について次の基準のいずれかに該当しない場合には、入院基本料は算定できない。

 ①患者の状態に応じて寝具類が随時利用できるよう用意されていること。

 ②寝具類が常時清潔な状態で確保されていること。シーツ類は、週1回以上の交換がなされている。

 ③消毒は必要の都度行われている。

 

2.入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制について

 a.入院診療計画の基準

①当該病院において、入院診療計画が策定され、説明が行われている。

②入院の際に、医師、看護師、その他必要に応じ関係職種が共同して総合的な診療計画を策定し、患者に対し、病名、症状、治療計画、検査内容及び日程、手術内容及び日程、推定される入院期間等について、入院後7日以内に説明を行う。

③医師の病名等の説明に対して理解できないと認められる患者については、その家族等に対して行ってもよい。

④説明に用いた文書は、患者に交付するとともに、その写しを診療録に貼付する。

⑤入院期間が通算される再入院の場合であっても、患者の病態により当初作成した入院診療計画書に変更等が必要な場合には、新たな入院診療計画書を作成し、説明を行う必要がある。

 b.院内感染防止対策の基準

①当該病院において、院内感染防止対策が行われている。

②当該病院において、院内感染防止対策委員会が設置され、当該委員会が月1回程度、定期的に開催されている。

③院内感染防止対策委員会は、病院長、看護部長、薬剤部門の責任者、検査部門の責任者、事務部門の責任者、感染症対策に関し相当の経験を有する医師等の職員から構成されていること。

④当該病院内において各病棟の微生物学的検査に係る状況等を記した「感染情報レポート」が週1回程度作成されていること。

 

⑤院内感染防止対策として、職員等に対し流水による手洗いの励行を徹底させるとともに、各病室に水道水または速乾式手洗い液等の消毒液が設置されている。

 c.医療安全管理体制の基準

①当該病院において、医療安全管理体制が整備されている。

②安全管理に関する基本的な考え方、医療事故発生時の対応方法等が文書化されている。

③院内で発生した医療事故、インシデント等が報告され、その分析を通した改善策が実施される体制が整備されている。

④安全管理の責任者等で構成される委員会が月1回程度開催されている。

⑤安全管理のための基本的考え方及び具体的方策について職員に周知徹底を図るために研修計画に基づき、年2回程度、職員研修が開催されている。

d.褥瘡対策の基準

①当該病院において、褥瘡対策が行われている。

②当該病院において、褥瘡対策に係る専任の医師及び褥瘡看護に関する臨床経験を有する専任の看護職員から構成される褥瘡対策チームが設置されている。

③当該病院における日常生活の自立度が低い入院患者につき、褥瘡に関する危険因子の評価を行い、褥瘡に関する危険因子のある患者及び既に褥瘡のある患者については、適切な褥瘡対策の診療計画の作成、実施および評価を行うこと。

④褥瘡対策チームの構成メンバー等による褥瘡対策に係る委員会が定期的に開催されていることが望ましい。

⑤患者の状態に応じて、褥瘡対策に必要な体圧分散式マットレス等を適切に選択し使用する体制が整えられていること。

e.栄養管理体制の基準

①当該病院内に栄養管理を担当する常勤の管理栄養士が1名以上配置されている。

②管理栄養士をはじめとして、医師、看護職員、その他医療従事者が共同して栄養管理を行う体制を整備し、あらかじめ栄養管理手順を作成している。

③入院時に患者の栄養状態を医師、看護職員、管理栄養士が共同して確認し、特別な栄養管理の必要性について入院診療計画書に記載する。特別な栄養管理が必要と医学的に判断される患者について、栄養状態の評価を行い、医師、管理栄養士、看護師、その他の医療従事者が共同して、当該患者ごとの栄養状態、食形態等を考慮した栄養管理計画を作成する。

④栄養計画には栄養補給に関する事項等や栄養状態の評価の間隔等を記載し、写しを診療録に貼付する。

 

入院料算定の留意点

1.入院起算日の取り扱い

入院の日とは、当該保険医療機関に入院した日をいい、保険医療機関ごとに起算する。

保険医療機関を退院後、同一傷病により当該保険医療機関に入院した場合の入院期間は初回入院日を起算日として計算する。ただし、次のいずれかに該当する場合は、新たな入院日を起算日とする。

 ①1傷病により入院した患者が退院後、一旦治癒し若しくは治癒に近い状態にまでになり、その後再発して当該保健医療機関に入院した場合

 ②退院の日から起算して3月以上の期間、同一傷病について、いずれの保健医療機関に入院又は介護老人保健施設に入所することなく経過した後に、当該保健医療機関に入院した場合

  退院後に、「急性増悪その他やむを得ない場合」で再入院した場合は、再入院日が起算日となる。なお、急性増悪の診断にもとづく傷病名や症状詳記をレセプト記載する。

 

2.病棟移動時の入院料

  同一保健医療機関内で病棟から病棟に移動した日の入院料の算定については、移動先の病棟の入院料を算定する。

 ※明細書記載が必要となる病棟の移動

 ・療養病棟入院基本料 → 他の病棟

 ・回復期リハビリテーション入院基本料 → 他の病棟

 ・地域包括ケア入院医療管理料を算定する病室 → 他の病棟

 

3.外泊期間の入院料

 入院患者の外泊期間中の入院料等については、入院基本料の基本点数の15%を算定する。

 外泊とは、0時から24時まで24時間、病室を使用していない日を1日と数える。「一泊二日」の外泊であれば、診療報酬上の外泊期間とはならない。「二泊三日」の外泊が、外泊期間1日となる。

 

4.退院時処方に係る薬剤料の取り扱い

投薬に係る費用が包括されている入院基本料又は特定入院料を算定している患者に対して、退院時に退院後に在宅において使用するための薬剤を投与した場合は算定できる。

在宅で療養を行う患者とは、保険医療機関及び介護老人保健施設で療養を行う患者以外の患者である。

 

5.他医療機関への受診について

 【原則的な考え方】

入院中の患者が、当該入院の原因となった傷病以外の傷病に羅患し、入院している保険医療機関以外での診療の必要が生じた場合は、他の保険医療機関へ転医又は対診を求めることを原則とする。

   ↓

入院中の患者に対して他医療機関での診療が必要となった場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療が必要となった場合等のやむを得ない場合に限る)は認められている。

 

入院中の患者を他医療機関に受診させる入院側の手順

(1)「他医療機関受診」

  入院中の患者に対し他医療機関での診療の必要性を認めた場合は他医療機関におけ  

 る診療を受けさせることができる。

(2)「他医療機関受診」前に考慮すべき点

  ①診療に必要な診療情報の提供

   入院中の患者が他医療機関に受診するにあたっては、入院側医療機関が「診療に必要な診療情報」を、外来受診医療機関に対して提出する。

   ※この情報がないと、他医療機関では、受診した理由等の診療に必要な情報が得られず、入院中の患者であることがわからないため、診療報酬の算定や請求方法を誤ることになる。

  ②「診療に必要な診療情報」に含めるもの

   「診療に必要な診療情報」には入院医療機関で当該患者に算定している入院料、受診が必要な診療科や受診させた理由が含まれ、文書で提供する必要がある。

  ③「診療に必要な診療情報等提供文書」については、いわゆる「診療情報提供書」に準じた様式が考えられ、当該文書は、その写しをカルテに添付しておく。

(3)受診後の留意点

  他医療機関では診療報酬の算定制限があるので、必要な投薬、処置等について情報提供されるので、入院医療機関の側で必要な投薬、処置等を行う。

  厚生労働省は「原則的には処方は入院医療機関で行う」という考えであり、他医療機関から受診後に提供される診療情報をもとに、入院医療機関で必要な薬剤を調達し投薬することを求めている。

(4)「他医療機関受診」日の入院料の算定と他医療機関との費用の精算

 

まとめ

結局、青本とほぼ同じ内容になってしまいました。しかし、入院料を算定するにはこのような条件が必須であり、満たしていなければいけない、ということを理解しなければいけません。

また、この記事を見てこういうのが青本にも載っていたんだということを認識してもらえればいいなと思います。

基本的にすべてのものは青本に載っています。

 

 

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