算定の実例集

画像CTとMRIの算定と適応病名のまとめ 査定されない為の注意点とは

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レセプトの中でも特に気を遣うのが、保険点数の高い、CT撮影とMRI撮影でしょう。

レントゲンのチェックの場合は数も多いので、レセチェックソフトでパッパッとやってしまうのですが、この2つについてはそうはいかず、レセプトの内容を一枚一枚丁寧に確認していっている医療機関もあると思います。

 

今回は、画像の中でも点数の高いCTとMRIについて説明していきたいと思います。

 

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CTとMRIの特徴

まずは、CTとMRIがどのようなものか?算定するときに理解できていたほうが、算定するときにもイメージしやすいはずです。

それぞれの特徴を簡単にあげてみたいと思います。

 

CTの特徴

体内の各組織、臓器のエックス線透過視性の差から得られたデータで体軸断層(横断層)として映像化する、特徴として濃度分解能が極めて高い。

 

簡単にいうと・・・

・回転しながら撮影をするので、体を輪切りにした画像を撮影することができる。

・見る方法としては”X線”を使用します。

・輪切りにしているから、レントゲンのように横からの画像ではなく、部位を上から見た画像になります。

こんな感じになります。

 

他にも難しい例をあげると

・ヘリカルCT(スパイラルCT):三次元画像を作成でき、肺や肝臓などの大きい臓器や血管腔の描出に有用である。

・マルチスライスCT:ヘリカルCTよりさらに迅速に描出できる。

 

MRIの特徴

水素原子核(体内組織に含む)を磁場の中に置いて電磁場を照射すると、原子核がエネルギーを得て、原子核から電磁波が放射される(電放射される磁波は組織・臓器により異なる)。その電磁波を受診コイルで感知して画像を形成する。特徴としてCT(横断像)と異なり、どんな断層面でも撮影できて放射被爆がない。

 

簡単にいうと・・・

・強力な磁場を利用して、体の断面画像をみます。

・X線ではなく”磁場”を使います。

 

まあ・・・

MRIはとにかく、高性能ということで、その分点数も高い!!ということになります!

 

違いをまとめると

 

  CT MRI
英語名 Computed Tomography Magnetic Resonance Imaging
日本語名 コンピュータ断層撮影 核磁気共鳴画像法
原理 X線を当てて透過率を調べる 磁気によって核磁気共鳴を起こす
撮影の仕組み 身体を透過したX線を解析
三次元撮影した後、任意の横断面を抽出
体内の水分子の結合状態を解析
一つの断面を複数の撮影方法で撮影して比べる
身体へのダメージ 放射線被ばくあり 磁気による体へのダメージは未知
撮影時間 主に10分以下 15~30分程度
メリット きれいな三次元データが得られる
撮影時間が短い
骨と空気がはっきりわかる 
放射線被ばくがない
造影剤を使わなくても血管を撮影できる
デメリット 放射線被ばくがある 撮影時間が長い
音が大きい
体内の金属や酸素ボンベの持ち込みなど、金属に注意が必要

こんな感じで、良かったり、悪かったりする点があります。でなければ、点数の高いMRI撮影ばかりしそうですもんね。

 

また、それぞれに得意ジャンルと不得意ジャンルがあるため、医師が患者さんの状態に応じて撮影を行っていく!といった感じです。なので、そういった得意ジャンルごとに、疑わしい症状を見極めて撮影していくということです。

MRIの得意分野 CTの得意分野
早期脳梗塞 脳出血
骨折などの外傷・歯 肺がんや肺炎
脳動脈瘤 尿路結石
内臓(肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓)  内臓
血管(造影剤を使わない) 全身の緊急検査(短時間で撮影できる)
軟骨 腸炎や腸閉塞など
靭帯・半月版  
神経  
多くの骨腫瘍病変  
子宮・卵巣  
前立腺・膀胱  

 

CTとMRIの同時算定

基本的には、CTとMRIの同日算定は査定傾向が強いものとなっています。(絶対にダメというわけではありません。通則などに、ダメとか書いてありませんし。)

ただし、部位が異なり、それぞれに病名及び、症状詳記があればOKです。

 

詳記の例:『○月○日、右膝半月板損傷の診断のため膝関節CTを行い、腰部脊柱管狭窄症の診断のため腰椎MRIを行った。』

などです。部位が異なれば、このような詳記でかまわないと思います。

 

同じ部位に同日撮影した場合

CTとMRIも同じ部位であれば、基本ダメとなっていますが、私の勤務病院では詳記に、なぜそういった診療行為(同日撮影)を行ったのか、という一連の流れを症状詳記につけて請求しています。

 

そんな感じで、コメントをつけて提出していますが、いまのところ全部は査定はされていません。

95%の割合で審査を通過しています。残りの5%は、返戻されてしまいます。

※ただし、すぐには査定にはならず、返戻で必要性のコメントを求められます。再請求後、やっぱりダメだった場合は査定されます・・・

 

医療機関ごとの判断にはなりますが、こういった請求方法もあるということです。

同日算定も実際は、詳記さえつけていれば、問題はないと考えられます。

 

余談ですが、この一連のコメントを考えるのがメッチャ大変です!普通は、医師に考えてもらうのが一般的だと思うのですが、実務では医療事務員が作成しています。(事務で作成後、Drに目だけ通してもらう。)

この数が多く、文章も長文を作らなければいけないので骨が折れます・・・・・・

 

CTとMRIの同日撮影するときの流れ

CTとMRIを同日に撮影する場合には、通則などにもあるように、2回目に撮影した分は減算をしなければいけません。ここでも注意点があります。

 

というのも、CTよりMRIのほうが細かくみれる症状のケースが多いです。

なので、同日に撮影している場合、通常であればCTから優先的(最初)に撮影し、それでも症状がはっきりしない場合にMRIを撮影する。といった流れになっていきます。

 

だから、2回目撮影減算はMRIに適応されるのが一般的な撮影の流れになることが多いです。

※医療機関や診療科、症状によって異なってくるとは思いますが、私の経験上ではこういったパターンが多いです。

 

医事コン上では、自動で2回目減になることがほとんどですが、その場合、電カルのオーダー上の順番で反映されることが多いと思います。なので、すべてをコンピューターに任せるのではなく、カルテ上の時間と流れを見て、本当にその順番に撮影したのか?ということを確認した方がいいと思います。

 

CTの適応病名

 ・関節周囲の骨折

 ・悪性腫瘍

 ・骨の壊死性病変

 ・筋萎縮性側策硬化症

 ・筋ジストロフィー多発性筋炎など

ちなみに、入院術前検査の胸部CTは必ず病名が必要で「胸部異常陰影等」をつけたりします。

 

MRIの適応病名

腰椎の病名はほぼ算定OKです。

ほかの病名では

先天性奇形、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄証、(骨・軟部)腫瘍、骨壊死、関節炎、外傷(頭部外傷とかもOK)

他にも、腰椎変性すべり症、腰椎分離すべり症、腰椎分離症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板症、変形性脊椎症などがあります。

 

私の勤務病院の外来の整形外科は頭部だったら、「頭部外傷」が使いやすいので頻繁に使っています。(ホントにその症状がある場合の外来のみです。)

 

部位ごとの病名を細かくみていくと

頚椎  :頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症、頚椎椎間板症

肩鎖関節:肩関節腱板断裂、肩関節腱板損傷、反復性肩関節脱臼

手関節 :手関節狭窄性腱鞘炎、手関節滑膜炎

膝関節 :膝関節靭帯損傷、膝関節半月版損傷、滑膜棚障害、脛骨高原骨折

その他 :関節リウマチ、骨折、腫瘍、壊死病名など

 

意外とリウマチもOKで、整形外科等のリウマチの定期診察のときにも、よく撮影されています。

 

算定不可の病名

・肩関節周囲炎、手関節炎、股関節炎

・化膿性腱鞘炎 ※注釈があればOK

・尺骨神経炎(軟部腫瘍などの病名が必要)

・蜂窩織炎、血腫、手指神経痛(手指腫瘤などの病名が必要)

 

CT、MRI撮影時に注射をした場合のコメント

撮影時に注射を行った場合、その薬剤に応じてコメントを入れなければ査定される可能性があります。

(本来はCT,MRIに注射は必要としないため、必要性の理由を記載しなければいけません)

・アタラックス   ⇒ 「閉所恐怖症のため」

・ペンタジン    ⇒ 「疼痛著明のため」

・セルシンシロップ ⇒ 「不安、緊張のため」

 

まとめ

CT、MRIともに点数が高いため、中途半端な病名やコメントをつけていたらすぐに査定されています。

査定されないためにも、病名や同日、同月撮影の回数に注意をしていく必要があります。

 

また、複数のCT,MRIを撮影する場合、必ず査定されるというわけではないですが、面倒でもコメントを常につけていくことをお勧めしたいと思います。

 

 

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