医療事務の知識 算定の実例集

ロコモ(運動器不安定症)とは、その算定方法についての考え方

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最近、私の勤務する医療機関が主催でロコモのフォーラムを行いました。

 

最近は、よく”ロコモ”という言葉を聞くので、 今回はそのロコモがどういったものなのか、また、リハビリの算定についても触れていきたいと思います。

 

運動器不安定症はリハビリ適応

運動器不安定症はリハビリの対象疾患となっています。

その通知が下記のようにあります。

H002に係係る保医発通知より

(2)運動器リハビリテーション料の算定となる患者は、 特掲診療料の施設基準等別表第9の6 に掲げる患者であって、以下のいずれかに該当するものがいい、医師が個別に運動器リハビリテーションが必要であると認めるものである。

ア 「急性発症した運動器疾患またその手術後の患者」

イ  「慢性の運動器疾患により、一定以上の運動機能の低下及び日常生活能力の低下をきたしている患者」とは、関節の変性疾患、関節の炎症性疾患、熱傷瘢痕による関節拘縮、運動器不安定症等の物を言う。

 

運動器不安定症とは

高齢等により、バランス能力、移動歩行能力などの運動能力が低下し、転倒しやすくなった状態を運動器不安定症(ロコモティブ・シンドローム)といいます。

 

運動器不安定症は、運動器の疾患、運動器の加齢現象や身体活動の減少等によりもたらされます。

 

ちなみに、運動器不安定症の概念、診断方法は、2006年に日本整形外科学会、日本運動器リハビリテーション学会、日本臨床整形外科医会の合議により、発表されたものです。(下記の引用参照)

運動器不安定症の診断基準

下記の(Ⅰ)の【運動機能低下をきたす11疾患の既往があるかまたは罹患している患者】で、日常生活自立度あるいは運動機能が低下(Ⅱ)に示す機能評価基準1または2に該当すするもの。

(Ⅰ)運動機能低下を来す疾患

1.脊椎圧迫骨折及び各種脊柱へ変形(亀背、高度腰椎後湾。側弯など)

2.下肢骨折(大腿骨頸部骨折など)

3.骨粗鬆症

4.変形性膝関節症(股関節、膝関節など)

5.胸部脊柱管狭窄症

6.脊椎障害(頚部脊髄症、脊髄損傷など)

7.神経・筋疾患

8.関節リウマチおよび各種関節炎

9.下肢切断

10.長期臥床後の運動器廃用

11.高頻度転倒者

(Ⅱ)機能評価基準

1.日常生活自立度:ランク J またはA(要支援、要介護1、2)

2.運動機能:下記の①または ②に該当するもの

 ①開眼片脚起立時間はが「15秒未満」

 ②3m timed up and go test が「11秒以上」

※追記

運動器リハビリテーション学会及び日本臨床整形外科学会が平成28年2月18日に上記を改訂しました。

詳しくはホームページを参照ください。

 

運動器不安定症とリハビリテーション

運動器不安定症は何らかの疾患を背景としているため、その治療はそれぞれの疾患に対する治療と、共通する症候としての歩行・移動の能力低下に対する治療に分けられます。

 

運動疾患の治療において運動療法の効果が見られ、また、 移動能力の低下に対しても運動療法により下肢の筋力強化、バランス改善が図られ効果がみられる。

結局、算定できるのか

結局、運動器不安定症はリハビリの疾患として算定ができるのかと言うと、 できないということになります。

 

正確には”運動器不安定症”という病名ではリハビリを請求できないということです。

 

そもそもが、運動器不安定症は、元は何らかの疾患が原因で起こるもの(上記の【運動機能低下をきたす11疾患の既往があるかまたは罹患している患者】)なので、もしリハビリを開始する場合は、元の疾患の病名でリハビリを開始するのが望ましいでしょう。

 

私の病院では、請求をしたことはありませんが、運動器不安定症という病名でリハビリを請求したら査定を喰らうのではないでしょうか。

 

まとめ

運動器不安定症でリハだったらイメージ的にOKで間違えそうなので、注意が必要そうですね。

 

別の疾患として、適当な病名をつけてリハビリを開始するのが望ましいでしょう。

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