2020年の診療報酬改定からB011診療情報提供料(紹介状)に新たな区分として(Ⅲ)150点が算定できるようになりました。
新しい算定項目のため、分からない部分もあると思います。
簡単にですが、診療情報提供料Ⅲ(紹介状)がどういったものなのか?具体的な算定条件は?
という部分について簡単にまとめてあります。
診療情報提供料(Ⅲ)が算定できるようになった経緯
診療情報提供Ⅲは、かかりつけ医機能を有する医療機関等と他の保険医療機関が連携することで質の高い診療が効率的に行われることを評価するものです。
かかりつけ医機能を有する医療機関等からの求めに応じ、患者の同意を得て、当該患者に関する診療状況を示す文書を提供した場合に、患者1人につき提供する保険医療機関ごとに3月に1回に限り算定できるようになりました。
施設基準のかんたんな概要
算定する医療機関は施設基準として敷地内禁煙を満たす必要があります。
ただし
- 緩和ケア病棟入院料
- 精神病棟入院基本料
を算定している病棟を有する場合には、喫煙場所から非喫煙場所にタバコの煙が流れないことを必須とするとともに、適切な受動喫煙防止措置を講じるように努めれば、敷地内に喫煙所を設けても差し支えありません。
具体的な算定条件はこちら
以下の患者に対して、紹介元の医療機関からの求めに応じ、診療情報の提供を行った場合、初診日以外の日に提供する医療機関ご
とに3ヶ月に1回に限り算定できる。
ア、以下の①~④のいずれかを届けでている保険医療機関から紹介された患者
-
地域包括診療加算
-
地域包括診療科
-
小児かかりつけ診療科
-
在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る)
イ、他の保険医療機関から紹介された妊娠中の患者
ウ、他の保険医療機関から、アの保険医療機関に紹介された患者
①~④に該当する医療機関であれば紹介された側でも算定できるということ。
初診日でも算定できる場合
次回、自院に受診する日の予約を行った場合は、初診時であっても算定できます。
この場合の取り扱いは以下のとおりです。
ア、次回受診日をカルテに記載する。予約診療を行っていない医療機関は、次回受診日を決めた上で、次回受診日をカルテに記載する。
イ、次回受診時に予約に基づく診療による特別の料金は徴収できない。
診療状況を示す文書の内容
診療状況を示す文書については、以下の内容を記載し、患者または提供する保険医療機関に交付する。
または、交付した文章の写しをカルテに添付する。
以下の内容を記載します。
ア、患者の氏名、生年月日、連絡先
イ、診療情報の提供先保険医療機関名
ウ、診療の方針、患者への指導内容、検査結果、投薬内容その他の診療状況の内容
エ、診療情報を提供する保険医療機関名及び担当医師名
紹介元が算定条件か調べる方法
紹介元の保険医療機関が上記の①~④に該当しているか調べる方法としては…
いまのところ、電話等で直接確認するしか方法はなさそう。
厚生労働省の疑義解釈等も調べましたが、具体的な方法は書いておらず、「必要に応じて確認する」としか記載がありませんでした。
妊婦さんの対応方法
- 産科もしくは産婦人科の標榜医療機関から紹介された妊娠中の患者
又は
- 他の保険医療機関から産科若しくは産婦人科の標榜医療機関に紹介された妊娠中の患者
について、診療に基づき、頻回の情報提供の必要性を認め、紹介元の保険医療機関に情報提供を行った場合は、上記算定条件にかかわらず月1回に限り算定する。
その他注意事項
同一の患者について、同一の保険医療機関に対して紹介を行い、診療情報提供1を算定した月は診療情報提供3は別に算定できない
特別の関係にある保険医療機関に情報提供が行われた場合は算定できない
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