基本的に、入院中の患者は治療の必要性があって入院しているわけで、外泊するケースというのは限られていると思います。
なので、必然的に外泊中の入院基本料の算定方法を気にする機会も少ないかもしれません。
そうすると、外泊中の入院基本料の算定ってどんなんだっけ・・・ってなってくることもあります(あんまりないか)。
どっちかというと、初心者向けに外泊中の入院基本料の算定についてまとめてみました。
目次
外泊中の入院料の算定方法
入院患者が外泊を行ったときの入院基本料の算定方法は、入院基本料(※療養病棟入院基本料を算定する療養病棟の場合は、外泊前日の入院基本料)の基本点数の15%又は特定入院料の15%を算定します。
計算方法
外泊中の入院基本料を算定するときに小数点が発生する場合は、1点未満の点数は四捨五入する。
例えば、急性期一般入院料1の1,591点の場合、外泊日の入院料は238.65点→239点
回復期リハビリテーション病棟入院料1の2,085点の場合、312.75点→313点
必要ないかもしれないけど、計算式はこんな感じです。
入院基本料×15%=減算後の入院基本料
上記の急性期一般病棟でいったら
1,591×0.15=238.65点 を算定する事となります。
注意ポイント
入院基本料の『基本点数』とは、初期加算等の注の項目にある加算点数は含まない点数です。
間違って加算点数を含めた合算点数で計算しないように注意が必要です。
外泊の定義
外泊とは0時から24時まで24時間、病室を使用していない日を1日とカウントします。
いわゆる『一泊二日』の外泊であれば、診療報酬上(レセプト請求上)は外泊期間となりません。『二泊三日』の外泊が外泊期間1日として、入院基本料を減算する対象となるわけです。
食事の表でみるとわかりやすいかも(例え話です)
食事を丸一日食べていない場合は、二泊三日に該当、減算対象となることが多い。といった感じです。
図の例でいくと、1月2日は”0時から24時”の間に一秒たりとも病院に居ないので、入院基本料減算の対象となるわけです。
これが、1月2日に1秒でも病院に居たら入院料の減算にはなりません。
例えば、1月2日の23時30分とかに病院に戻ってきたら減算の対象にはならないわけです。
ただし、これは例えの話で、外泊時の入院料の減算と食事の回数は関係ありません。あくまで個人的に、こう考えたらわかりやすいかなといった考え方ですので、意味がわからんという人は忘れてください。。。
入院基本料の30%を算定できる場合もある
精神及び行動の障害の患者について治療の為に外泊を行わせる場合は、更に15%を算定できます。
つまり、15%+15%=30%の入院基本料を算定できます。
さっきの例でいうと、急性期一般病棟と回復期リハビリテーション病棟入院の場合
急性期一般入院料1の1,591点の場合、外泊日の入院料は477.3点→477点
回復期リハビリテーション病棟入院料1の2,085点の場合、625.5点→626点
といった具合になります。
※30%で算定できる期間は3日以内に限ります。
ただ…治療の必要性があって入院しているのに、そんな長期間外泊しては入院の意味がないのでは?と個人的には思ってしまいます。
また、病院側もその期間、入院基本料をマックス算定できないのでつらいですよね。
さらに、病床の回転率も下がるので、できるだけ避けたいところです。もちろん、本当に訓練の必要があり、外泊する場合は、外泊を行うべきですが。
30%も算定できるのだったら全部治療のための外泊にすればいいのでは?
患者さんの中には、自己都合で自宅に帰りたいと希望する方の割合が多いです。
それなら、外泊中の入院料を少しでも高く算定するために、全て治療のための外泊という扱いにしてしまえばいいのではないでしょうか?
外泊理由を”在宅復帰訓練のため”と銘打ってしまえば分かりませんからね。
患者さんだって外泊できればそれでいいわけで、理由なんてどうでもいいわけです。
まあ、もちろんそんな適当はダメです。
ただ、事務のほうからわざわざ外泊理由を確認する必要はないんじゃないかなと個人的には思っています。
点数を高いほうが算定できる状況ならそっちを算定するべきですからね。
まとめ
外泊と聞くと一泊二日からをイメージしてしまいますが、診療報酬上は『2泊3日』からが減算の対象となるわけです。
ここら辺が初心者の人にはしっくりこない部分があるかもしれません。
実際に私がそうでしたので。。。
なので、今回はそういた初心者向けにまとめてみました。あくまで参考程度に覚えてもらえたらいいと思います。