今回は、処置で使った材料で算定できる、特定保険医療材料である「皮膚欠損用創傷被覆材」の算定方法と適応病名について書いていきたいと思います。
意外と、見落としていたりする注意点などもあるので、参考になれば幸いです。
皮膚欠損用創傷被覆材とは
そもそも、皮膚欠損用創傷被覆材とはどのような定義があるのでしょうか。
参考に、厚生労働省の通知をあげます。
材料価格基準/別表Ⅱ「101皮膚欠損用創傷被覆材」に係る保医発通知より
1.「特定保険医療材料」の定義について
真皮以上の深深度を有する皮膚欠損に対して創傷治癒の促進、創傷面保護及び疼痛軽減を目的として使用するものであること。
2.「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」
① 主して創面保護を目的とする被覆材の費用は、当該材料を使用する数量の所定点数に含まれ、別に算定できない。
②皮膚欠損用創傷被覆材は、いずれも2週間を標準として、特に必要と認められる場合については3週間を限度として算定できる。 また、同一の部位に対し複数の創傷被覆材を用いた場合は、主たるもののみ算定する。
③皮膚欠損用創傷被覆材は、手術縫合創に対して使用した場合などは算定できない。
という内容の通知があります。
難しく書いてあり、理解するのに時間がかかるかもですが、とても重要な内容になっていると分かるはずです。
特に皮膚欠損用創傷被覆材は、処置で多く使われることがありますので、レセプトでもよく上がってくる項目だと思います。
皮膚欠損用創傷被覆材の適応病名
- 皮膚潰瘍(熱傷、血管障害性潰瘍、褥瘡)
- 採皮創
- 皮膚剥削創または外傷性欠損創の創部保護及び治癒の促進
私の場合、ほとんど「皮膚欠損創」か「皮膚潰瘍」の病名をつけています。
使用限度期間について
個人的に、使用できる限度期間は結構重要なところかと思います。
結構、査定傾向にあるものなので。
通常の創傷においては、創面の清浄化がはかられ創傷治癒が促進される場合、創傷治癒(肉芽形成、表皮化)は一般に2週間以内で完結するとされてため、「使用限度期間」が”2週間を標準とする”とされています。
このことは、上記の通知の中にもありましたね。
なので、2週間以上、処置の中で使用していた場合は査定される傾向にあります。
ただ…
すべてが2週間以上で査定されるかといったら、そうではないようなので、病名によって取り扱いが異なってくるのかもしれません。
お持ち帰りや処方はダメ
皮膚欠損用創傷被覆材は、基本的には処置の中で使う材料なので、処方として出すことはできません。
さらに、おまけだからといって、処置で使った残りの材料を患者さんにあげることもいけません。
あくまで、特定保険医療材料としての取り扱いとして、対応するべきだと思います。
ただ・・・
私が外来の看護師さんにチラっと聞いたのは、やっぱり処置で使った後に、サービスで患者さんに渡していたりすることもあるようです。
ここらへんは、患者さんにとっては良いことなのですが、医療機関もサービス業ではありません。
材料の費用もかかっていますので、しっかり特定保健医療材料として算定するべきです。
算定範囲 デュオアクティブの場合
『10cm×10cm=100㎠』で算定していたりしないですか?
これは、間違った算定方法なので注意が必要です。
正しくは、使った分だけの算定になります。
なので、使った分が5cm×10cmの場合は算定対象としては50㎠になります。
ここら辺だけは注意していたほうがいいでしょう。
まとめ:結構金額も高いのでちゃんと算定するべき
皮膚欠損用創傷被覆材って、貼っていればかさぶたにならないで、常に傷の部分が潤った状態に保たれているようにする材料ですよね。
たまにドラッグストアで似たようなものを見つけるんですけど、結構いいお値段します。
それだけいいものなので、シップみなたいな感じで簡単に出してくれたらキリがなくなってきます。
医療機関としは、少しでも抑えれるところは抑えるべきだと思うので、せめてサービスのお持ち帰りだけは阻止していきたいですね。