ギプスとシーネは、なんとなく似ているので覚えるまでに結構時間がかかったりします。
一度覚えてしまえばわかるけど、自分で理解するまで算定するときにいつも混乱してしまう項目ですよね。
この記事では、そのわかりづらいギプスとシーネに違いについて医療事務員向けに書いていきます。
また、シーネの意外と知らないかもしれない算定方法についてもまとめていきますので参考になるかと思います。
※動画のほうがいい~という方はコチラも参考にされてください♪
ギプスとシーネとは
まずは、簡単にギプスとシーネとはなんなのか?という部分を基本的な部分について説明していきます。
シーネとは
簡単に言えば添え木のことです。
シーネ固定は、さまざまな整形外科的外傷に用いります。
例えば
単純な骨折や捻挫、脱臼、筋肉、腱や靭帯の損傷、血管や神経などの保護、術後創部の保護などで比較的短期間に用いることが多いです。
シーネは、木・金属板・針金みたいなやつ、プラスチックの副木やギプスなどが材料にもちいられています。
一般的には、はしご状の針金に包帯を巻いたラダーシーネ、アルミ板にウレタンを貼り付けたアルミシーネを多く使用しています。
ギプスとは
簡単に言えば、傷病部位をガチガチに固めるものです。
足の捻挫、靭帯損傷においてもシーネ固定で安静保持することができない場合や、強固な固定が必要な場合は医師の判断によりギプスを用いることがあります。
ギプスとシーネの使い方(巻き方)の違い
2つの大きな違いとしては、受傷部位への巻き方になります。
それらについて、使い方も含めて説明していきます。
シーネの使い方
受傷部位の一部に、添木として特定保健医療材料などのアルフェンスなど(添木として使用する材料)を巻きつけて簡単な処置に使うことが多いです。
例:指の骨折なんかはシーネ固定が多いです。
ギプスの使い方
受傷部位の全体に巻きつけ、骨折などの頑丈に固定して動かなくして、安静にしなければいけないときに使います。
使い方(巻き方)のまとめとしては
・シーネは受傷部位に対して一部を保護する。
・ギプスは受傷部位の全体を保護する。
というような考え方でよいと思います。
それぞれの算定方法
医療事務にとっては、算定方法が一番重要なところかと思います。
先に注意点をあげると、算定方法は使い方や巻き方とは別になります。
では、どのような算定方法かというと、メインは使った材料で判断して算定します。
例を挙げていきますね。
例1:【巻き方】ギプス固定 + 【材料】ギプス材料
【巻き方】ギプス固定 + 【材料】ギプス材料(ガチガチになるやつ)を使った場合 = ギプスで算定。
これは結構分かりやすい例かと思います。
ギプス材料はオールワンスプリントやGRスプリントなど
例2:【巻き方】シーネ固定 + 【材料】添木材料
【巻き方】シーネ固定 + 【材料】添木材料 = シーネ固定で算定(創傷処置+特定保健医療材料(添木の材料))
これもよくあるパターンですよね。
例3:【巻き方】シーネ固定 + 【材料】ギプス材料
【巻き方】シーネ固定 + 【材料】ギプス材料 = ギプスで算定
(処置の内容としては、ギプス材料を棒状で固めて、それを添え木の役割として使用している場合です)
これが結構な割合で間違えて算定しているのではないかと思われる例ですね。
簡単に言えば、固定方法+使った材料 の『使った材料』だけを見ていけばよいのです。
シーネ固定をギプスで算定する根拠
シーネ固定で、なぜギプスが算定できるのかと疑問に思われたり、この算定情報怪しいと思われる方もいらっしゃると思いますが、実はこれ、ギプス材料を販売している業者さんのホームページの商品情報のところに載っていたりするんですよね。
ちなみに、こんな感じでホームページに載っています。
それでも信じられないと思う場合は、直接ギプス材料を販売している業者さんの担当に算定方法を聞いてみるという手段もあります。
私はよく業者さんに算定の方法を問い合わせします。
業者さんにとっては迷惑なんでしょうが・・・
まとめ
ギプスの算定自体は簡単なので、そこまで気にしない部分かとは思います。
しかし、シーネ固定は材料によって算定方法が異なってくるので注意が必要ですね。
ギプスやシーネの算定方法は検索すればでてくるけど、材料のことまで載っているサイトはあまりないように感じました。
これを機会に、医療材料を販売している会社のホームページを見てみるのも面白いかもしれませんよ。
ほかの算定方法まとめ記事
※動画もありますのでコチラも参考にしてくださいね~