医療事務の知識 自賠責・第三者のまとめ

医療機関での自賠責の取り扱いとは 基本的な考え方について

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医療機関での自賠責の取り扱いと考え方について書いていきます。

ここでは、医療機関からみたときの”自賠責とはなにか”、”請求先は”ということを中心に書いてます。

 

運転免許証を持っている人であれば、絶対に知っている自賠責保険ですが、医療事務で初めて対応するひとにとっては、勘違いしていることも多くあると思いますので、そこらへんも書いていきます。

 

自動車損害賠償保障法

1955年に、自動車損害賠償保障法(自賠法)が制定されました。

自賠責保険と政府保障事業が定められました。

自動車損害賠償保障法

第3条(自動車損害賠償責任)

自己のために自動車を運行の用に供するものは、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる(以下略)

第5条(責任保険の契約の締結強制)

自動車はこれについて法律で定める自動車損害賠償責任保険の契約が締結されているものでなければ運行の用に供してはならない。

というように法律で定められています。

みんなが考えている自賠責の認識としては、”車(バイク)に乗るなら自賠責に入らなければいけない”といったところでしょうか。

 

自賠責保険の特徴

簡単に自賠責保険の特徴を上げていきたいと思います。

 

強制保険である

上記でもあげたように、車に乗る際は必ず入らなければいけない保険ということです。

これは例外なく、車に乗る全ての人に当てはまります。

 

減額の制限がある

被害者保護のため、被害者に重大な過失がある場合(7割以上の過失)にのみ減額が行われます。

自賠法の規定により、自動車事故の被害者の、傷病・後遺障害・死亡による損害については一定の限度額までの補償を確実に行うことができる。

といった特徴が挙げられます 。

 

ここらへんは、医療機関の立場としては、こんなのがある、程度の認識でいいかもしれません。

 

政府保障事業とは

政府保障事業は、他の手段によって救済されない被害者に、必要最低限の救済をする目的ののものです。

 

例えば、自賠責保険により保証されない、ひき逃げ・無保険車による事故の被害者に対しては、政府が自賠責と同様の給付を行うとというものです。

※政府保障事業の給付内容は自賠責保険に準ずるとされています。

政府保障事業は、自動車損害賠償保障法に基づき、自賠責保険(共済)の対象とならない「ひき逃げ事故」や「無保険(共済)事故」にあわれた被害者に対し、健康保険や労災保険等の他の社会保険の給付(他法令給付)や本来の損害賠償責任者の支払によっても、なお被害者に損害が残る場合に、最終的な救済措置として、法定限度額の範囲内で、政府(国土交通省)がその損害をてん補する制度です。

国土交通省ホームページより

 

自賠責と政府保障事業との違い

私がこの記事で、 最も伝えたかった内容になります。

 

おそらく自賠責などに携わったことがない人は、まずここで勘違いをしていることがあります。

それは・・・

 

自賠責=政府保障事業

 

と思っていることです。

これは間違った認識ですので注意してください。

 

どういった勘違いかと言うと、

「事故の相手が保険に入っていなくても(ひき逃げ含む)、自賠責に入っていれば、とりあえず120万までは自賠責で保証してもらえるから大丈夫だよな」

というような、軽い感じで「とりあえず自賠責でなんとかしてくれる」といった考え方です。

 

自賠責と政府保障事業を混在して認識しているということですね。

自賠責の対象ではない⇒政府保障事業といった感じになると覚えておいたほうがいいということです。

 

請求先が違う

自賠責と政府保障事業では、診療費の請求先が、少し異なります。

※提出先としては、同じになりますので注意が必要です。

 

自賠責の請求先

自賠責の請求先としては、保険会社になります。(下記参照)

最初のレセプトなどの提出先としては、自賠責の委託を受けている保険会社で問題ないです。だいたいは、保険会社は自賠責の窓口での委託をうけているためです。

 

政府保障事業

こちらも、同じく保険会社で大丈夫そうですが、自賠責とは対応が少し異なるので、その都度、保険会社への確認が必要です。

 

自賠責の診療費(レセプト)の提出先

自賠責の診療費(レセプト)の提出先(窓口)は、自賠責事業の委託をうけている、保険会社になります。

 

例えば、「東京海上日動」や「全労災」、「JA共済」なんかが該当します。

(外資系の保険会社はやっていないところもあるようです。)

 

保険会社というと、自分自身でかけている任意保険の対応しかしていないイメージですが、自賠責のみでも、提出先の窓口として受け入れをしています。

 

その後、保険会社から自賠責の支払い機関へ請求をかけるのです。

 

ポイント

通常の自動車保険のシステムは、一定限度額までの保証は自賠責保険により対応し、 その超過分を任意自動車保険によりてん補する 「二元一体」の体系をとっています。

簡単にいえば、任意保険に入っていれば、事故が起こった時には、任意保険会社が自賠と任意保険の全てをまとめて対応をしてくれる。ということです。

だから、自賠責=任意保険会社へ提出という認識が薄い部分があるかもしれません。

 

違いのまとめ

私が一番最初に勘違いしていたことは、自賠責=政府補償事業ということでした。

なので、なぜ自賠責の患者なのに、請求をすべて保険会社にするのだろう・・・

という疑問が常にありました。

 

ネットや本に書いてあるのは、ほとんど”被害者請求”や”加害者請求”なんかのことだけで、実際の請求先までは載っていませんでした。

 

しかし、実務で保険会社さんなんかとやり取りをしていくうち、調べ方がわかるようになり、ここまでたどり着くことができました。

 

結果、実践あるのみ!!というのが一番の近道かなと実感しております。

 

 

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