死亡診断書は通常であれば、医事課ではなく、病棟のほうで管理する場合がほとんどです。
医事課が死亡診断書に携わる場合といえば、死亡診断書の費用の請求や書式の管理といったところでしょうか。
ただ、たまに亡くなった患者の家族から、死亡診断書に記載医師の押印を求められられるケースがでてくるときがあります。
こういうときに、死亡診断書には押印が必要なのでしょうか。
結果から申し上げて、直筆であれば押印は必要ありません。
その根拠について書いていきます。
押印が必要ない理由
死亡届の手続きをする際に、病院(特に医事課のほうに)家族からこうした質問を受けることがあります。
昔から日本では、氏名と捺印が当たり前といった考えによるものと思われます。
確かに平成7年以前はそうだったようです。
その当時の理由としては
平成6年11月24日付け健政発第840号通知「医師法施行規則等の一部を改正する政令の制定について」の「その他所要の改正を行ったこと」の中で、記名押印又は署名しなければならない。となっています。
上記のものは、平成2年の Who 総会で採択された ICD-10( 第10回修正国際疾病障害死因分類)における、書式改訂の動きに合わせて改正されたものであり、平成7年1月1日より実施されているものです。
その上で記名押印署名については
「医師法施行規則第20条(死亡診断書等の記載事項)」で、記名・押印又は署名しなければならないと規定されています。
つまり、死亡診断書が医師の直筆、すなわち署名であることが確かである場合は押印は必要ないとなります。
夜間などで、医事課不在時などで対応ができなかった場合に、後から、こういった問い合わせがくることが多いですので、医事課に限らず、他部署にも死亡診断書のサイン欄は直筆であれば、押印は不要であること周知しておかなければいけませんね。