医療事務の知識 実践!!対応事例集

入院時食事療養と生活療養とは わかりやくすく説明しました

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平成29年10月から厚生労働省の通知により、少しづつ生活療養費の患者負担が見直しされ、引き上げ(値上げ)られてきました。

 

平成30年4月から、いよいよ本格的に値上げの最終段階の金額となりましたね。

 

そこで、患者負担が引き上げられた際に、それに合わせて患者から医療機関への問い合わせを多く受けるようになりました。

「なぜ、平成30年の3月と4月では食事代が2万円も違うのか?」

といった内容のことです。

 

確かに患者からしたら、同じ治療対応や入院待遇をうけているはずなのに、2万円近くも違ったら文句の一つも言ってくるでしょう。

私の病院では、ちゃんと待合室や廊下に通知の掲示物をはりだしていましたが、やはり、患者さんから苦情がきました。(患者さんはそういうのって見てないんですよね。)

 

そこで、今回は算定うんぬんではなくて、患者さんにも分かるぐらい、わかりやすく入院時食事療養と生活療養について説明していきたいと思います。

 

そもそも入院時食事療養と生活療養とは

ちなみにですが、私は病院に入職当時この二つの違いがよくわかっていませんでした。

 

というのも、計算等はレセプトの記載を含めて、すべて医事コン(コンピューター)がやってくれていたから。

 

もしかしたら、そんな感じでちゃんと理解していない人もいるかもしれないので算定方法とかではなく、どういったものなのかを簡単に説明していきます。

 

入院時食事療養

これはいわゆる”入院中の食事代”といわれるやつです。

一般的にも浸透しているので、わかりやすいはず。

 

費用の算定方法

早見表や青本などに

入院時食事療養費(Ⅰ)(1食につき)

ⅰ) ⅱ)以外の場合    640円

ⅱ) 流動食のみを提供する場合  575円

・特別食加算(1食につき)  76円

・食堂加算(1日につき)   50円

といった感じで記載されていると思います。

考え方としては、この金額が食事代の自費の金額になります。

 

保険診療でいうところの10割(自費)の金額です。

実際に食事にかかった費用ですね。

 

もちろん、この金額をそのまま払うわけではありません。

患者が負担するのは”患者負担額の部分のみ”になるわけです。

 

平成30年4月現在で、例として1日分を計算してみると

実際にかかった費用

 入院時食事療養 640円×3食 + 特別食加算 76×3食 + 食堂加算 50円(1日分)

 =合計 2,198円 になります。

  ※特別食加算、食堂加算まですべて含めた金額が食事代になります。

この金額を患者が払うのではありません。

 

実際に患者が支払うのは下記の金額のみになります。

 患者負担 460円×3食 =合計 1,380円

 これが実際に患者が支払う金額になります。

これは、一般的な食事療養費と負担金を例として出してします。

患者の状態、所得、入院状況によって金額は変わってきます。

 

あくまで、こういった考え方ですよ。ということで覚えておいてください。

 

入院時生活療養

私が一番混乱していたのはここでした。

なので、詳しく書いていきたいと思います。

食事療養と同じで

入院時生活療養費

入院時生活療養費(Ⅰ)

 食事の提供たる療養(1食につき)

ⅰ) ⅱ)以外の場合    554円

ⅱ) 流動食のみを提供する場合  500円

・特別食加算(1食につき)  76円

・食堂加算(1日につき)   50円

といった記載があります。

さらに、その下にも

 療養環境の形成たる療養

  (一日につき)      398円

こういった記載があります。

これは、算定としては別々に計算をしなければいけません。

 

考えかたとしては

 

入院時生活療養費の中に

 食事の提供たる療養

 療養環境の形成たる療養

の2つがあり、それぞれ計算するといった感じです。

 

大きな違いをあげると

 食事の提供たる療養 = 食事代

(※最初にあげた、入院時食事療養の食事代と同じようなものです。)

 

 療養環境の形成たる療養 = 居住費(光熱水費)

これが入院時食事療養にはない、生活療養費の独自のものです。

 

生活療養費の覚え方としては、入院中の食事代とは別で、居住費も発生しますよ。といった感じです。

 

算定方法

食事代については入院時食事療養とまったく同じです。

ただ、生活療養は食事代とは別で居住費(光熱水費)も発生します。

 

なので、簡単にまとめると生活療養費は

食事代 + (居住費)光熱水費 = 生活療養費

金額の求めかたとしては、こんな感じになります。

 

生活療養費の対象者

入院時食事療養と生活療養の両方があり、どういった場合に使い分けるのか、違いはなんなのか?

 

答えは青本にもしっかり書いてあります。

が、先に簡単にまとめてしまうと

 

・入院時食事療養 = 普通の人(一般病棟とかに入院している人)

・入院時生活療養 = 高齢の方(65歳以上、療養病棟とかに入院している人)

 

通常は、入院時食事療養のほうで算定していきますが、生活療養の場合、年配の方(65歳以上)で療養病に入院している方が該当します。

 

ここで注意しなければいけない事があります。

それは

療養病 = 療養病 

ではないということです。

 

例えば、例を挙げて説明すると、療養病に対して回復期リハビリテーション病棟の特定入院料の届け出を出しています。

この例でいくと回復期リハビリテーション病棟の患者も生活療養の対象患者となるわけですね。

 

通常であれば、特定入院料の届出をだしているので、医事職員は日々の入院費を計算していくだけという作業になります。

 

ただ、日々のルーティン作業だけして、内容や意味を理解していないと、いざ、患者から説明を求められたときにしっかりとした回答ができないと思うので、覚えておいた方がいいかもしれませんね。

 

居住費(光熱水費)とはなにか

居住費(光熱水費)といわれても、なぜこんな制度があるのでしょうか。

細かい患者や家族だったら、説明を求められることが稀にあります。

そういった時のために、どういったものなのか?ということを簡単に説明していきます。

 

居住費(光熱水費)は、生活していたら発生する、電気代や水道代などのことです。

一般家庭でも毎月、支払っているものですよね。

 

短期に入院中の方であれ、問題はないのですが、対象が療養病床であり、さらに65歳以上の高齢者を対象としています。

 

そうなると自然と長期の入院となりますね。

そこで、一般(元気な人)と不平がでてくるわけです。

 

例えばこんな感じです・・・

『一般の元気な人は、自分で生活し電気代や水道代を支払っている

 

なのに、長期で入院している人は入院費だけの支払いだけで、その他の生活費用は支払っていないじゃないか。

それだったら、入院していた方が、生活費もかからないしお得なんじゃないか!!』

 

といった感じになるわけですね。

 

こういった不平をなくすための費用が光熱水費として、入院中の患者からも徴収されるわけです。

 

これはあくまで、考え方の話であり

本来の目的はこうです。

 介護保険との均衡の観点から、医療療養病床に入院する65歳以上(注1)の者の生活療養(食事療養並びに温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養をいう。)に要した費用について、保険給付として入院時生活療養費を支給されることとなりました。
 入院時生活療養費の額は、生活療養に要する平均的な費用の額を勘案して算定した額から、平均的な家計における食費及び光熱水費の状況等を勘案して厚生労働大臣が定める生活療養標準負担額(所得の状況(※1)、病状の程度、治療の内容その他の状況をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に軽減して定める額)を控除した額となっています。
 被扶養者の入院時生活療養にかかる給付は、家族療養費として給付が行われます。
 

入院時生活療養費計算式の図

 

食堂加算はとれない?

患者さんからよく文句を言われる一つとして”食堂加算”があります。

 

患者さんの言い分としてはこうです。

『食堂なんて使ってなくて、自分の部屋で食べているのになんで食堂加算なんてものがとられるのか』

といった内容です。

 

個人的には、おっしゃる通りだとは思いますが、そんな事を言ってしまったら、病院としては赤字(損)になってしまいます。

 

確かに患者の状態に合わせて、病室で食べさせたりもします。

患者本人の希望だってあるでしょう。

 

しかし、食堂加算の趣旨としては、患者さんの意見がどうとか状態がどうだからとか、そういったことに対する加算ではないので

関係がないんですよね。

 

本来、食堂加算とは”病院に食堂を設置できるほど管理がしっかりできている”といった事の評価に対する加算なんです。

 

だから、患者や家族がなんと言おうと病院としてしっかり管理できている場合には、算定していかなければいけないと思います。

 

食堂加算の説明を求めてくる患者や家族も、お金に関することなので詳しく説明を求められます。事務員は弱気にならず、堂々とした態度で説明していけば、必ず納得してくれる!!はずです・・・

 

3月と4月で食事代が1万円以上違う計算式

冒頭にも書いていたように、3月と4月の食事代がだいぶ違ってくる患者さんがいます。

 

単純に値上がりした分の計算をすればいいだけなのですが、それでも、普段、入院の食事などと関りがないひとにとっては

よくわからないものです。

 

そこで、例を挙げていくと・・・

食事代だけでも

一食あたり 360円 → 460円

と負担金が変更になっています。

単純に計算して、差額の100円×3食×30日=9,000円

と食事代だけで1万円近くも差が出てしまうわけですね。

 

さらに・・・

療養病床に入院している65歳以上だと生活療養費の光熱水費が

一日あたり 200円 → 370円

と変更になったことで

差額の170円×30日=5,100円

これだけの金額が変わってくるわけです。

 

合計すると、14,100円も値上がりしたことになります。

 

さすがに患者さんとしても先月とまったく同じ治療内容で、待遇もかわっていないのにこれだけの金額が変わったら文句も言いたくなるはずです。

 

ただ、この金額の引き上げについては、病院はどうすることもできないので、しっかりと受付などでこういった理由で金額が高くなっています。

と、説明できなければいけませんね。

 

でないと、患者さんも納得しないし、最悪の場合はクレームにつながるかもしれません。

 

食事の負担額が上がることは、そんなに頻繁にあることではありませんが一回あたり、100円ぐらいの少額でも

1か月単位で考えると高額になってしまいます。

 

内容を理解し、説明できるようにしておくのがベストだと思います。

 

まとめ

医事職員もですが、最近は一般の方(医療事務以外の方)も医療費等についてよく勉強されています。

 

そういったことを調べている相手に説明するのは正直大変です・・・

納得してもらえるように、しっかりと対応をしっかりとしていかなければいけません。

 

点数や金額は年々、変わっていきますがこういった基本の考え方さえわかっていれば、年代が変わっても、ある程度対応できるのではないでしょうか。

 

 

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