対応事例集

医療機関における公務災害の請求方法と流れ

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医療機関ごとに、労災を任されている医療事務の担当の方はいらっしゃるかと思います。

日々の労災の請求業務は行うかとは思いますが、公務災害の場合はどうでしょうか?

「労災も請求しているのだから、公務災害のほうも対応しておいてよ」となるのが自然な流れかもしれませんね…

しかし…

任されたといっても、労災と公務災害って対応方法が全然違うから、初めて対応する場合は請求方法とかわかりませんよね。

 

私の勤める病院にも、仕事中にケガをした学校の先生が来ることがあります。

私も、公務災害は、ほとんど対応したことがなかったので、全国保険医団体連合会の『公費負担医療等の手引き』を参考に手探りで対応していきました。

結論から伝えると、医療機関では治療費を患者さんから自費で徴収する、というのが正しい対応になります。

参考までに、対応したときの事を書いていきたいと思います。

 

※そもそも労災が良く分からない方はこちらの記事から

医療事務向け労災マニュアルと手順 労災担当者は必読です!!

 

学校の先生が仕事中のケガで受診にきた場合は労災?それとも公務災害?

学校の先生などの地方公務員が、仕事中のケガで受診した場合は公務災害になります。

公務災害とは、簡単に言えば地方公務員(学校の先生、役場の職員、消防士)の労災のようなものです。

 

学校の先生や役場の人などの地方公務員は、通常の労災と請求が全然異なるので注意が必要です。

イメージ的に用務員さんとかがよくケガして受診してきますが、そういった人たちも公務員になるので公務災害に該当します。

 

医療機関の請求方法

公務災害で受診した場合の、医療機関の対応は、【指定医療機関】【非指定医療機関】かで対応が異なってきます。

公務災害の指定医療機関は、労災の指定医療機関とは異なりますので注意が必要です。

 

指定医療機関の場合

公務災害における指定医療機関とは、市民病院などの公的な医療機関を指すようです。

 

請求の方法ですが、患者から療養の給付請求書(様式第5号)の提出を受けて、療養費請求書(様式第8号)で地方公務員災害補償基金支部へ療養に係わる費用を直接請求する。という流れになります。

 

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、流れとしては、労災レセプトを労働局に請求するのと同じな流れになります。

本来、患者本人が医療機関に支払わなければいけない治療費を、医療機関が患者から委任を受けて、直接、公務災害の支払基金へ請求するといった感じになります。

参考

一応、補足ですが、公務災害も通常のレセプト請求先のように、連合会や支払基金のような治療費を支払う機関があります。

 

非指定医療機関の場合

上記の指定医療機関(公的な医療機関)、以外の個人の病院やクリニックは、非指定医療機関に該当します。

請求方法については、2パターンあります。

 

請求パターン①:患者が医療機関に支払う場合

医療機関は、医療費全額を窓口で患者から徴収する。

患者は、医師の証明を受けた療養補償請求書により、払い戻しを受けます。

 

単純に、患者本人が自費で全額を医療機関に支払った後、自分で公務災害の方へ払い戻しの手続きを行ってくださいねーという方法です。

この方法が、個人病院では一般的な方法です。

 

請求パターン②:医療機関が直接、公務災害支払基金へ請求する場合

療養補償請求書(様式第6号)により、地方公務員災害補償基金支部へ請求する。

この場合、医療機関は患者より「療養補償の受領委任」を受ける必要があるので、療養補償請求書の所定欄に記入する必用がある。

 

受領委任の場合、被災職員が療養補償請求書の1号紙の必要事項を記入したあとに、委任先の病院に渡し、1号紙の受領委任に基づく支払請求の欄及び2号紙、3号紙又は4号紙のうちの該当する号紙の診療費の内訳、調剤費の内訳又は訪問看護の内訳などを記入した後、病院から直接、公務災害の支払基金へ請求する。

なお、2~4号紙に代えて同様事項を記載した医師等の証明書を添付してもよい。

 

ですが…

ここで、注意点がひとつ

最初に病院を受診した段階では、まだ公務災害と認定されていない事がほとんどです。

なので、この受領委任ってできる可能性が極めて低いです。

では、どうすればいいのか?

ということを次で説明していきます。

公務災害が認定されたかは、公務災害認定通知所書の現物を医療機関で提示して初めて認められます。

 

まだ公務災害と認定されていない場合は医療機関の請求はどうなる?

単純に、自費で治療費を徴収しておきましょう。という話です。

なぜなら、公務災害の認定がおりるのって結構時間がかかるみたいで、長いときで半年以上かかるみたい…

そんな長い時間、医療機関は支払いを待てないですよね?

 

しかも、公務災害を申請していると分かっている場合は、健康保険証も使用ができません。

なので、繰り返しになりますが、認定されるまでは、自費で患者本人から徴収しましょうというわけです。

 

入院などで医療費が高額になる場合はどうなる?

患者から自費で徴収しましょうとは言いましたが…

これが、入院とかになると話は別です。

入院するだけで、医療費って、自費で軽く100万ぐらいは超えてきますよね。

多くの人は、こんな高額なお金を一時的とはいえ、払う事なんてできないです。

 

では、どうするのか?

それは、勤務先に立て替えて払ってもらうという方法です。

公務災害に詳しいところの場合、事前に「この患者は公務災害を申請中ですので、医療費は勤務先の○○に請求してください。」と連絡がくることがあります。

 

本来、患者が自費で全額を医療機関に支払うところを、勤務先が立て替えて支払うという方法です。

高額になる場合は、大抵、この方法ですが、連絡がない場合は勤務先に問合せをして確認してみてもいいかもしれません。

注意ポイント

他にも、保険者に申請し、誓約書を書くことで健康保険証を使えることもありますが、ここらへんは医療機関が関与するべき部分ではないので、患者及び勤務先に判断をゆだねましょう。

 

療養の費用の算定方法は自由診療

公務災害の治療費の計算方法は、自由診療になります。すなわち、自費です。

なので、医療機関によって、自由に単価を決定することができます。

しかし、多くの場合は

  • 労災診療報酬(1.2倍)
  • 健康保険法の規定(通常の保険請求と同じ)

どちらかに合わせて算定しているようです。

 

公務災害は全て非課税

ここて注意点がひとつ。

公務災害は全て、非課税になります。

治療費はもちろん、公務災害に係わる診断書代も非課税になります。

病院書式の診断書など、「公務災害指定」の診断書でなければ、課税した金額でもOKだと考えています。

 

あと、もうひとつ注意点…

ほとんどの場合、初診時には公務災害の認定がおりていません。

なので、この段階では、課税した金額で徴収していても問題ないとは思います。

しかし、大抵の場合、認定されることが多いので、「公務災害の申請をしている」という事であれば、非課税の金額で徴収していてもいいのではないかなと、個人的に思っています。

 

療養補償請求書の記入方法

最後に、患者さんが持ってくる『公務災害・療養補償請求書』には、請求した金額のみを記載(診断書代金含めて)する。

別紙でレセの写しを添付しただけでOKです。

上記の情報元は、地方公務員災害補償基金支部に電話で聞いてみました。

 

公務災害の請求までのまとめ

  1. とりあえず、医療機関としては、患者本人から自費で徴収するという事を覚えておく。
  2. あとの払い戻し関係の手続きは、患者本人に行ってもらう。
  3. 患者さんが、医療機関に公務災害の書類を書いて欲しいと言ってきたら証明する。

以上がざっくりした流れになります。

 

また、公務災害なのか?と迷ったり、患者さん自身も公務災害になるのか?と分かっていな状況の時は(こいった状況の方が多いです)、労災や自賠責などの初期対応と同じように、とりあえず自費で徴収しておくor預かり金をするなどして、未収にならない対策を行った方がいいでしょう。

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