労災関係まとめ

医療機関向け!労災5号様式(様式第16号の3)とは?その記入例と役割

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医療機関で労災の治療を受けるためには、この労災『様式第5号』(様式第16号の3)が必要不可欠です。

 

医療機関が労災レセプトを請求する際に、絶対に必要なものであり、患者さんも、これを医療機関に提出することで、初めて労災のケガとして治療を受けることができるようになります。

 

医療機関側は提出された様式第5号を患者から受取り、労災レセプトと一緒に請求するだけですが、この様式第5号にはいろいろな意味があり重要な書類となっています。

 

今回は、その様式第5号について詳しく書いていきます。

また、実務の中で疑問に思うことや、対応例も併せて書いていきたいと思いますので参考にはなると思います。

 

様式第5号とは

簡単に言えば、この書類の提出を以て、その患者が労災患者と判断し、治療費も労災へ請求する、いわば証明書的な役割の書類になります。

 

この書類は、労災で治療を行う際の手続きに必要不可欠なものです。これが無ければ、治療費の面で労災での補償を受けることができません。

つまり、『労災として治療を行います。』という事を、労働基準監督署に知らせるためのものになります。

 

医療機関にとっての様式第5号

上記のように、5号用紙は労災として治療を行うための証明書的な役割になります。その中で、医療機関としても、この5号用紙の提出を受けて、初めて患者が労災を使うんだと認識できるわけです。

 

どういうことかというと、いくら患者さん自身が『仕事中のケガだから労災だよ!』なんて言っていたとしても、その後、会社や労働基準監督書と話合った結果、本当は労災の適応ではなかったなんて可能性もあるということです。

 

そうなると、患者が労災と言っていたから負担金(会計)をもらっていなかったのに、実際は労災へも治療費の請求ができませんでした、ということになってしまいます。さらに、その患者へ改めて治療費を請求する作業というのは面倒ですからね。

 

そういった事にならないためにも、医療機関が確実に労災として治療費を請求するために、この5号用紙というのは、確認の意味も含めた重要な役割を果たしているということになります。

 

また、労災レセプトを請求する際にも絶対に必要(これがないと請求できない)なので、とても重要な書類といえます。

 

患者が様式第5号を提出しないことでの医療機関へのデメリット

この書類が早く提出されないと、医療機関は労災レセプトの請求はできません。提出が無い場合は、提出されるまで待っての月遅れ請求という形になります。

 

外来だけで2~3回の通院のみであればいいかもしれませんが、これが入院となれば話は別です。一回の入院で簡単に100万円とか行ってしまうので、その金額が全て月遅れ請求になってしまうのは影響力が大きいです!

 

なので、せめて入院のときだけでも、絶対に請求日までに5号用紙を準備、提出してもらうように対策を行っていったほうがいいでしょう。

 

様式第5号と様式第16号の3の違い

この様式第5号と様式第16号の3といのは、両方とも同じ役割の書類になります。様式第16号の3も、上記で説明した様式第5号と同じ取り扱い方です。

 

もちろん、違いもあって、

様式第5号→業務上のケガ

様式第16号の3→通勤途中のケガ

このよう分けて記入し作成を行っていきます。

 

注意点としては、よく通勤途中のケガだったのに5号用紙を持ってくる患者さんがいます。そういった事もありえるので、担当者は仕事中のケガなのか、通勤途中のケガなのかということを、患者さんから話をよく聞いて判断したほうがいいです。話を聞いたうえで通勤途中だったと分かっていれば、患者さんが5号用紙を持ってきても「これは違いますよ!」と言えるわけです。

 

会社が作成?それとも自分で作成する?

労災の患者さんに対して、医療機関側から「5号用紙を持ってきてくださいね。」なんて案内をすると、多くの患者さんが「その書類はどこでもらったらいいの?」「会社に言えばいいのかな?」と言われることがありますが・・・

様式第5号(様式第16号の3)というのは、原則、患者本人が作成し提出する書類になります!

 

書式の一番下の項目の「請求人」とある箇所に、患者本人の名前を書く箇所があることから分かるように、労災へ治療費の補償を請求するのは、患者本人という理由からです。


 

もちろん、原則的には患者本人が作成することになっていますが、実際は勤務先の会社側が作成することがほとんどです。

 

書式の中にも、事業所が証明する部分(事業所の印鑑が必要な部分)があるので、どうしても本人だけでは完結できない書類なので、最初から会社側が作成してしまうといった感じで、会社側が対応しているようです。

 

患者さんも、仕事中のケガで労災を使うなんてのは初めての事なので、手続き関係も全くわからないと思います。そう考えたら、勤務先の事業所で証明、作成までしてもらうのが理想的かなと思います。

 

ただ、忘れてはいけないのが、会社側はあくまで“患者本人が労災へ手続きするための協力者”という立場だということです。

 

なので、最悪の場合、5号用紙が準備できずに労災へ請求できなかったとなれば、治療費を全額、患者本人が支払わなければいけないという状況もありえます。

もちろん、そんな理不尽な話はありえませんので、5号用紙が準備できない場合(会社が事業所の証明を拒む場合もあるらしい・・・)は、近くの労働基準監督署へ相談するのが望ましいです。

 

記入方法

病院の役割としては、あくまでこの書類を受け取り、レセプトと一緒に労災へ請求するだけなので、記入方法については特にすることはありません。言ってしまえば、医療機関は書類作成に関してはノータッチということです。

 

それでも、実務を行う中で患者さんから『ここの記入はどうしたらいいのか?』『記入方法でわからない部分がある』といった問い合わせを受けることも少なくないはずです。

 

そういったときには、医療機関側でもある程度、教えてあげれば親切かなと思います。ただ、基本的には、医療機関がわかる箇所というのは限られているので、わかる範囲で教えられる部分の記入箇所をまとめました。

 

受傷の部位及び状態ぐらいは書いてあげる

この㉑受傷部位に関しても、基本は本人に記入してもらう項目ですが、多くの患者さんは自分の詳しい受傷部位、病名なんてものをわかっていません。なので、こういった箇所については、病院側で記入してあげても問題はありません。 

 

レセプトの主病名をそのまま記入してOKです。

ただ・・・

ここの項目は、そこまで難しく考える必要はなく、例えば『右手のやけど』とか『左肩の打ち身』とか医療の専門用語とかではなくても全然かまいません。自分が知っているような言葉(病名)でも問題ありません。本人や会社が記入して持ってくるときは、だいたいがこんな感じでざっくりしたものが多いです。

 

一番下の病院名と監督署名は記入不要

一番下の部分に関しては、患者の署名や住所や電話番号は必須の記入ですが、左側の『○○労働基準監督署殿』と『○○病院経由』の部分は、分からなければ記入は必要ありません。

 

基本的には書かなければいけない項目ですが、勤務先の事業所所在地や労働基準監督署が管轄している地域などの関係が、提出する患者や事業所では分からないことが多いので、それらを管理している労働基準監督署に直接、記入をお願いするといったイメージです。

 

事業所側は、『管轄の労働基準監督署はここだ』と思っていても、労働基準監督署側が管理している管轄は違った!なんてこともあるようです。

なので、無理に適当なことを書いて、間違えるよりは空白のままにしておき、提出するほうが無難ということです。

 

自筆(手書きの署名)であれば印鑑は不要

一番下の患者本人の署名箇所ですが、こちらは印鑑を押す場所がありますが、患者本人の自筆(手書きの署名)であれば、印鑑は不要です。

 

よく、病院に5号様式を持ってきた患者さんで、ここの箇所を記入しておらず、その場で書くことがあります。そのときに、印鑑を持っていないことが多いので、その場合は、自筆のみで印鑑は無くてもOKです。これは、書式ウラの注意事項の中にもあります。

 

まとめると

医療機関にとって、労災5号様式(様式第16号の3)は超重要ということです。これがなければ、医療費を請求できませんからね!

 

また、確実に医療費を労災へ請求するための確認の書類としての役割もありますので、できるだけ早い段階で提出をしてもらうのが望ましいと思います。

 

また、この書類は基本的には患者さん自身が準備するものですが、医療機関もある程度の記入方法ぐらいは覚えておき、アドバイスできたほうが親切ですし、労災の請求もスムーズに行くのではないでしょうか。

 

 

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