〔PR〕 労災関係まとめ

労災で創傷処理を算定するときのポイントと算定例

労災で処置や手術を四肢(手足)に行った場合、労災独自のもので四肢加算が算定できます。

通常の保険請求よりも加算分が多く請求できますよね。

 

ただ、労災独自の算定方法になりますので、いつもは保険請求を行っていると、『この算定だと四肢加算はとれるんだっけ?』といった感じで混乱してしまう部分もあると思います。

 

今回は、労災で算定する機会がもっとも多いかと思われる手術、創傷処理を行った場合の算定時の注意点を医療事務向けにまとめてみました。

また、分かりやすいように算定例も載せていきたいと思います。

 

四肢加算とは

四肢(鎖骨、肩甲骨及び股関節を含む。)の傷病に対して次に掲げる手術を行った場合、健保点数の1.5倍により算定することができます(1点未満切り上げ)。

また、手(手関節以下)及び手の指の傷病に行った場合は、健保点数の2.0倍で算定できます。

 

四肢加算算定のポイント

四肢加算の対象となる「健保点数」とは、健保点数表の「第2章第10部手術の第1節手術料」に掲げられた点数、及び各区分の注に規定する加算の合計をいい、通則の加算点数は含みません。

 

つまり、早見表でいうと「K000 創傷処理」の枠で囲まれている部分に入っている加算(デブリードマン加算100点とか)は、手技点数に合算してから×1.5倍もしくは2.0倍します。

 

それ以外の、通則に載っている項目(例えば、感染症患者加算1,000点)は、四肢加算の対象にはならないので、1.5倍2.0倍できません。

 

ただし、医科点数表手術料の「通則12」(時間外加算。休日加算及び深夜加算)の加算については「健保点数」に含みます。

つまり、手技点数+時間外加算×1.5倍及び2.0倍となります。

 

説明だけでは、理解するのに時間がかかると思うので、次で実際に算定例を挙げていきたいともいます。

 

四肢加算の算定例

右足背にK000創傷処理(筋肉・臓器に達しないもの)4cmを行った場合

健保の場合 ⇒470点

労災の場合 ⇒470点×1.5倍=705点

 

※足は四肢加算の対象部位です。手や指ではないので1.5倍します。

 

右手背にK000創傷処理(筋肉・臓器に達しないもの)4cmを行った場合

健保の場合 ⇒470点

労災の場合 ⇒470点×2.0倍=940点

 

手関節以下(手部)に行った創傷処理(手の指の創傷処理(筋肉・臓器に達しないもの)を除く)は健保の2.0倍で算定します。

※指の創傷処理については、後述します。

 

右手背にK000創傷処理(筋肉・臓器に達しないもの)4cmとデブリードマン(100点)を行った場合

(470点+100点)×2.0倍=1,140点

四肢加算の算定の対象となる健保点数には、医科点数表手術料の区分の注に規定する加算を含みます。

なので、デブリードマン加算(100点)を合計した後の点数に対して2.0倍で算定します。

 

時間外に右手背にK000創傷処理(筋肉・臓器に達しないもの)4cmを行った場合

470点×1.4倍(時間外加算2)×2.0倍(四肢加算)=1,316点

となります。

原則、通則の加算は四肢加算には含みませんが、「通則12」の時間外加算や休日加算については、時間外加算の点数に対して2.0倍します。

 

指に創傷処理を行う場合は注意が必要

ここは、結構間違えやすい項目なので注意が必要です!!!

手の指の創傷処理(筋肉・臓器に達しないものについては、健保点数に関わらず決められた点数で算定します。下記参照

 

指の本数

点数

指1本

940点(470×2.0倍)

指2本

1,410点(940+470点)

指3本

1,880点(1,410+470)

指4本

2,350点(1,880+470)

指5本

2,350点(470×5.0倍)

※当該点数にさらに四肢加算することはできません。

 

とにかく!!指に対しては決められた点数があるということです!!

医師はここら辺をわかっていないことが多く、普通の創傷処理でオーダーを飛ばしてくることがあるので注意です

 

【第2指】K000創傷処理(筋肉に達しないもの)3cm及びデブリードマン +【第3指】K000創傷処理(筋肉に達しないもの)3cm及びデブリードマン

それぞれの指に処理を行っていますが、上記にならい、算定としては

1,410点(指の固定点数)+100点×2.0倍=1,610点となります。

 

指は、定められた点数を算定しますが、デブリードマンだけには2.0倍をかけることができます。

 

【第2指】K000創傷処理(筋肉に達するもの)3cm及びデブリードマン + 【第3指】K000創傷処理(筋肉に達するもの)3cm及びデブリードマン

(1,680点+100点)×2.0倍=3,560点

 

手の指に行われた創傷処理のうち「筋肉・臓器に達すもの」は、健保点数の2.0倍(四肢加算)で算定します。

 

四肢加算のまとめ

通則の加算は四肢加算の対象ではない(時間外除く)

指に創傷処理をする場合は独自の点数があるので注意

といった感じです。

 

個人的には、四肢加算って医事コンで計算ができてしまうので、指を算定する場合だけ、特に注意していけば間違いはないのかなと思います。

 

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  • この記事を書いた人

アドバーグ

未経験で医療事務に就職 ⇒ 一般企業 ⇒ 医療事務へ。ブラック企業を経てホワイト企業へ転職成功しました。現在は勤続10年、現役の医療事務員やっています。 刺激的な情報を発信したいと思いブログ運営中です。 犬より猫派です。 保有資格 ■診療報酬請求事務能力試験 ■医療事務認定実務者(R)試験

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