労災関係まとめ 実践!!対応事例集

労災の10号様式とは、症状固定までの流れ

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労災の症状固定とはいつ、どのようにされるのでしょうか。

医師が症状固定と診断したとき?

患者がもう治ったよと言ったとき??

病院が労災へ請求できなくなるのは???

今回は、労災の症状固定と関連書式の様式10号についてまとめました。

 

※労災患者さんの立場の場合の記事

労災を勝手に症状固定にされた!!納得いかないときの対処方法と理由について

 

※その他の症状固定について詳しく書いてある記事

他院で労災を症状固定した後の治療の請求

自賠責・労災と保険会社の症状固定の定義の違い

 

労災の症状手固定について

病院が労災で治療費を請求できなくなるのは

「障害補償給付支給請求書」(様式10号)を担当医師が作成し、患者が書類を労働局へ持って行った時です。

この書類を書くことで、医師が症状固定を証明したことになります。

 

症状固定とは、これ以上治療しても、改善の見込みがない状態。

よくもならないし、悪くもなりませんよという事です。

 

ちなみに医学用語では『症状固定』という言葉は存在しません。

労災・自賠責の独自の言葉であり、便宜的に使用し理解しています。

 

「障害補償給付支給請求書」(様式10号)以下10号用紙とは

簡単にいうと、これ以上はリハビリや治療しても症状は改善されませんよ。

今後は症状が一進一退で変わらないです。

労災での治療は終わりにして、後遺障害と認定されるか審査してもらいましょう。

それでお金が下りるようになれば、後はそのお金で自分で治療続けてくださいね。という書類になります。

というような感じで、後遺障害を認定するための書類です。

すこし砕いて書きすぎましたが・・・

 

症状固定の判断時期

本来の形としては、医師が症状固定と認めたときであるべきです。

しかし、医師たちはそこまで検討してくれません。

 

患者さんが来たら受診に来たら診察もするし、患部が痛いといえば処方もしますし

痛みが続いていてリハビリすると調子がよいと言ったらリハの継続のオーダーまでするのではないでしょうか。

 

大体の場合は、医師は症状固定については無関心な場合が多いようです。

 

労働局が症状固定ではと考えるとき

だいたいの場合は、医事職員のほうから医師に声をかけたりして、労災の中止や治癒を促してレセプトを中止や治癒で提出しているパターンが多いのではないだろうか。

 

そこで提出された、中止のレセプトを労働局の人が見て、「治療は終了かな?」と判断して本人へ確認をとります。

そこで患者本人へ、労災の治療を終了することの了承を得た段階で、本人に10号用紙を渡し病院へ依頼することを促してきます。

 

別の可能性としては、治療期間が長期にわたる場合などは、提出されたレセプトの治療内容、病名を確認することで、本当に治療継続の必要があるのか疑ってきます。本人に直接、確認をとったりしている場合もあるようです。

 

大体の場合は『医療照会』という形で、病院へ書類で問い合わせが来たりします。

このときに、治療見込み期間などを記載するところがあるので、そういったところもチェックしているようです。

 

患者さんが10号用紙を持ってきたとき

 患者さんが10号用紙を持って来るときの流れと、医療機関の対応としては下記のようになります。

患者さんが労働局から10号用紙をもらって病院に持ってくる

患者さんに受診、医師と話をしてもらい、いつで症状固定するか決める

症状固定日に合わせて10号用紙記入作成を行う

患者さんが10号用紙を労働局へ持って行く

というような流れになりますね。

 

しかしここで注意点があります。

患者さん本人が、10号用紙の意味を理解せずに病院に記入依頼に来たときです。

 

こういった場合、患者さんは10号用紙作成後も労災で治療を継続できるつもりでいたりします。

もしくは保険証を使っての診療。

10号用紙作成後は症状固定日に合わせ、それ以後は労災としての治療はできません。

※正確には同じ病名で保険証を使って治療継続できるようです。

私の勤務病院では、症状固定とは労災独自の言葉ではありますが、治療の必要性はないと10号用紙で証明しているのにも関わらず診療を続けるということは、診療上おかしな話だということで、継続の治療は行っていません。

 

しかし、どうしてもリハビリ等を継続したい!!

という患者さんがいる場合は、こちらの記事にさらに詳しく書いてあります。

労災の治癒、症状固定後の診療と治療費の扱い

 

症状固定後も治療を希望する場合

どうしても患者さんが「まだ痛みが残ってる!!」「治療は続けたい!!」

という申し出がある場合は、10用紙の記入は控えるべきでしょう。

 

もしくは、労災としての治療は終了という取り扱いにして、健保使用で同じ部位に対して新たな疾患としてリハビリや治療を行っていく。という手段もあります。

(※あくまで医師が治療の必要性を認めた場合に限ります。無理やり病名をつけるのは保険請求上おかしな話になってくるので)

個人的にはこの流れの方が患者さんも納得しやすいし、医療機関も請求の面でやりやすいと思います。

自賠・労災の症状固定後のリハ開始期間

 

10号用紙のまとめ

患者さんが10号用紙を持ってきた場合は

・10用紙作成後 = 労災の治療中止

・10用紙作成後 = 治療の継続はできない

・症状固定後は労災病名に対し保険証を使っての治療はしない。(できないわけではない)

 (※これは病院によってことなります。あくまで私の勤務病院の場合です)

 

労災は終わっても、どうしても治療を続けてほしい!!という患者からの希望があれば、新に診察してもらい労災とは別疾患が見つかれば保険診療することは可能です。

あくまで別の疾患で治療するということですね。

 

※労災の症状固定後には”アフターケア”という制度もあります。

 この記事に詳しく書いてありますので、参照ください。

 労災アフターケアの適応病名と算定できる項目

 

大事なのは患者さんにしっかりを説明すること!

医師からも、症状固定で治療は終了しますよ!!

ということを患者さんに伝えてもらうことだと思います。

 

患者さんも、訳も分からず労災で治療ができなくなったとなれば腹が立つのではないでしょうか。

ここで医事職員が自信なさげにしていてはいけません。

毅然とした態度で対応することです。

 

診察室で患者と医師が話す時間は少ないです。

医師も少ししか状況把握ができないのです。

 

医療事務員として、患者さんの話を傾聴し、医師にその旨を伝える。

患者と医師の間に入り話をスムーズに進めることは大変なことだと思います。

 

患者さんと医師(病院側)の両方の立場と状況が把握できるのは医療事務員しかいないと思います。

裏方仕事ですが、重要な役割だと思い頑張っていきたいですね。

 

 

 

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