労災の患者さんがリハビリを実施しているケースは多くあります。
しかし、その労災患者さんが“介護保険証を持っていた”場合はリハビリの点数はどうなるでしょうか?
労災の算定規則にもあるように、労災の場合は介護保険証を持っているに係らず、リハビリの点数は減算されずに通常点数で算定することができます。
しかし…
H003-2リハビリテーション総合計画評価料の場合はどうでしょうか?
介護保険証を持っていたら、リハ総合は「2」の点数の低いほうで算定しなければいけないのでしょうか?
調べた結果、労災の手引き等の本にも詳しくは載っていませんでしたが、労働基準監督署に直接問い合わせることで答えがでました。
結果は、介護保険証を所持していても、労災の場合はリハビリテーション総合計画評価料は「1」300点の点数の高いほうで算定してもよいということでした。
本記事では、医療事務関係の方に向け、その根拠と実際に労働基準監督署に問い合わせた内容についてまとめています。
関連記事 【2018診療報酬改定】リハビリテーション総合計画評価料の算定をわかりやすく説明
Q H003-2リハビリテーション総合計画評価料は、労災患者の場合、介護保険証を持っている、持っていないに係らず、「1」の300点を算定してもよいのか?
労災患者の情報として
- 脳血管リハビリテーションを実施中
- 算定期限の3分の1は経過している
- 介護保険証を持っている(ただし、介護保険の申請理由は労災疾患が原因ではない)
こういった患者がいる旨を労働基準監督署に伝えて、

という質問をしてみました。
すぐには答えが出ず、
「他の医療機関等などの算定事例や、問い合わせ事例が無く、現状としては明確な答えがない状況です。上司たちと話し合いを行い検討して、折り返しご連絡します。」
という回等だった。
労働基準監督署の情報ネットワークの中にも問い合わせ前例が無かったようです。
A.労働基準監督署の回答
後日、早速、質問の返答がきました。
今後も、労災疾患として治療をおこなっていくのであれば、リハビリテーション総合計画評価料「1」300点の方を算定してもよい。
理由としては、リハビリテーション総合計画評価料「2」の方を算定する前提としては、“介護保険に移行すること”ということがあります。
保険診療の手引きや青本にはこういった説明記載はありませんが、意味合いとしては、そんな感じです。
こちらの記事にまとめてありますので、よくわからない方はこちらの記事へ
関連記事 【2018診療報酬改定】リハビリテーション総合計画評価料の算定をわかりやすく説明
なので、今回の事例でいくと、今後も労災として治療を行っていく予定であるので、介護保険は使用しない。
すなわち「1」で算定OKということです。
労災に問い合わせをする前に考えていた予想
上記の労働基準監督署の回答でも述べたように、労災患者の場合、リハビリテーション総合計画評価料は「1」の点数で算定OKとのことでした。
しかし、その答えにたどり着く前に、当然ですが自分自身でも「こういった理由でリハビリテーション総合計画評価料「1」を算定できるのではないか」という予測をしていました。
もしかしたら、同じような考え方をされている方もいるかもしれないので、参考までにまとめておきます。
これは、私個人の推測であり、答えは上記の労働基準監督署の回答になります。
リハビリテーション総合計画評価料の注1、2の項目の、リハ総合の「1」及び「2」における介護保険リハビリテーションへの移行を予定している患者とは、介護保険法第62条に規定する要介護被保険者等であって、各疾患別リハビリテーション料に規定する標準的算定日数の3分の1を経過した期間にリハを実施している患者が対象となる。
つまり、介護保険証を持っている人のことを示す。
さらに標準的算定日数の3分の1を経過した患者の中で
「1」→介護保険証を持っていない
「2」→介護保険証を持っている
といった感じで算定できる。
では、労災患者で介護保険証を持っている場合、リハ総合の算定はどうなるのか?
“各リハビリテーション料を算定すべきリハビリテーションを行った場合に算定てきる”とあるが、労災では各規定の注4~6については適応されないとあることから、
目標設定等支援・管理と同じような考え方で、リハビリに対して介護保険に係るものは対象外という認識で、「1」の300点を算定してよいのではないか?
結果として、、、
こういった考えは関係なかったようです^_^;
後から突っ込まれるのも嫌だったので、労働基準監督署に先に
「上記のような理由でリハビリテーション総合計画評価料「1」は算定でいると考えています」
と伝えたところ…
「いいえ、そういった理由は関係ありません」
とバッサリと切られました…
まとめ
労災のリハビリでは、介護保険を持っている、持っていないに係らずに、リハビリテーション総合計画評価料は全て「1」を算定することができる。
という事でした。
あまり難しく考えすぎることはなかったようです。
本記事が少しでも参考になればと思います。
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