算定の実例集

入院中の患者に診療情報提供書(紹介状)を作成したときは算定できる?基本的な算定の考え方とは

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入院中の患者で、たまに他院への紹介状をお渡しする機会がでてきたりすることがあります。

あまりない事例ですが、それでも何か月かに一度はでてきます。

 

そういった場合の入院中の紹介状の費用は算定できるのかというと、結論からいうと

入院中の診療情報提供料は算定できません。

 

その理由をまとめました。

 

入院中の基本的な考え方

入院の通則に下記のような決まりがあります。

※早見表の内容なので、ここは飛ばしていいです。

【入院料通則より抜粋】

5 入院中の患者の他医療機関ヘの受診
 (1) 入院中の患者が、当該入院の原因となった傷病以外の傷病に罹患し、入院している保険医療機関(以下本項において「入院医療機関」という。)以外での診療の必要が生じた場合は、他の保険医療機関(以下本項において「他医療機関」という。)へ転医又は対診を求めることを原則とする。
(注)対診とは、疾病または負傷で入院中の患者に対し、標榜していない科目の診療が必要であると入院施設の医師が判断した場合に、その医師の依頼により入院先で他の医療機関(専門医)の立会い診察を行う事をいいます。
 (2) 入院医療機関において、特定入院料、療養病棟入院基本料又は有床診療所療養病床入院基本料(以下、通則において「特定入院料等」という。)を算定している患者について、当該特定入院料等に含まれる診療を他医療機関で行った場合には、当該他医療機関は当該費用を算定できない。

 (3) (2)にかかわらず、特定入院料等を算定する患者に対し眼科等の専門的な診療が必要となった場合(当該入院医療機関に当該診療に係る診療科がない場合に限る。)であって、当該患者に対し当該診療が行われた場合(当該診療に係る専門的な診療科を標榜する他医療機関(特別の関係にあるものを除く。)において、次に掲げる診療行為を含む診療行為が行われた場合に限る。)は、当該患者について算定する特定入院料等に含まれる診療が当該他医療機関において行われた診療に含まれる場合に限り、当該他医療機関において、当該診療に係る費用を算定できることとする。ただし、短期滞在手術基本料2及び3、医学管理等、在宅医療、投薬、注射及びリハビリテーションに係る費用(当該専門的な診療科に特有な薬剤を用いた投薬又は注射に係る費用を除く。)は算定できない。
  ア 初・再診料
  イ 短期滞在手術基本料1
  ウ 検査
  エ 画像診断
  オ 精神科専門療法
  カ 処置
  キ 手術
  ク 麻酔
  ケ 放射線治療
  コ 病理診断

 (4) 他医療機関において(3)の規定により費用を算定することのできる診療を行わせる場合には、当該患者が入院している保険医療機関において、当該他医療機関に対し、当該診療に必要な診療情報(当該入院医療機関での算定入院料及び必要な診療科を含む。)を文書により提供する(これらに要する費用は患者の入院している保険医療機関が負担するものとする。)とともに、診療録にその写しを添付すること。この場合においては、当該他医療機関において診療が行われた日に係る特定入院料等は、当該特定入院料等の所定点数から当該特定入院料等の基本点数の70%を控除した点数により算定するものとする。この場合において、1点未満の端数があるときは、小数点以下第一位を四捨五入して計算するものとする。

 (5) 他医療機関において(3)のアからコまでに規定する診療を行った場合には、当該患者の入院している保険医療機関から提供される当該患者に係る診療情報に係る文書を診療録に添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に「当該患者の算定する特定入院料等」、「診療科」及び「○他(受診日数:○日)」と記載すること。

 

いろいろと規則がありますが、要は入院中の患者さんは入院先の医療機関で管理されているのが原則です。

つまり、他医に情報提供する必要性がありません。

よって紹介状を作成する必要がないため、入院中に診療情報提供書を算定するという項目がないんですね。

 

返書は算定できません

当然ですが、『〇〇さんが当院受診後に入院になりました~』といった内容の返書は算定できません。

外来でも算定できないので当たり前のことですが、念のために。

 

 

本当に治療の必要性がある場合

上記では、診療情報提供書は算定できず、治療も入院医療機関で管理とあります。

では、本当に状態が急変したり、専門的な治療を必要とした場合はどうすればいいのでしょうか。

 

それは、他医療機関受診(いわゆる他科受診)になります。

他科受診であれば、紹介状を作成しなければいけませんし必須になります。

 

もし、紹介状が必要となる場合があれとし、作成するとしたら他科受診が一番自然な流れになると思うので、ベストな流れかと思います。

ただ、冒頭にも書いたように紹介状の費用はどっちみち算定できないので、入院医療機関の利益にはなりません。

 

自費で徴収してもいいのか

保険点数にはあるけれど、算定出来ない項目から自費徴収して良いのは認められているもの、例えば算定回数を超えたリハビリなどだけです。

それ以外は算定出来ません。治療、看護に関係するサービスは保険診療に含まれていると考えるからです。

 

なので、入院中の紹介状は自費でも算定できないということになります。

欲を出せば自費でも徴収できるような気もしますが、あまり現実的ではないでしょう。

 

ただ、どうしても他院が情報提供書が必要といった場合がでてくると思います。

そういった場合は無料(サービス)で作成するのが望ましいでしょう。

※療養担当規則のなかにも、他院から患者の情報提供を求められたら答えなければいけないとあったはずです。

 

対診は現実的ではない

通則の中にも『対診』とありますが、これは中規模病院の場合は現実的ではないような気がします。

私も、数えるぐらいしか対診の例を見たことがありません。

 

その時は、対診に来てくれた病院は、保険請求をそれぞれ行っていました。

対応としては他科受診と同じような感じでした。(このとき、入院基本料は減算しませんでしたが・・・査定はされていません。)

他医療機関受診時の点数計算と減算しない方法

 

わざわざ、他の病院の先生が来てくれるといった事は難しいと思いますので、他科受診が一般的な対応方法なのではないかと思われます。(もちろん、対診がダメなわけではありませんが。)

 

まとめ

基本的に入院中は紹介状に限らず、自院で行う診療行為等以外は算定できません。

入院中は入院医療機関で全てを管理するという考えのもとです(だから入院料って高いんでしょうね)。

 

このことを念頭に対応していけば、他の入院中の対応もスムーズにいくのではないでしょうか。

療養病棟への転院、老健へ退院する際の処方の算定

 

 

 

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