医療事務の資格試験の中でも最高峰である”診療報酬請求事務能力認定試験”ですが、他の医療事務の資格と比べて合格するのが格段に難しい資格となっています。
『未経験だけど独学で合格できるかな?』
『専門学校とかに行ってないと難しいのでは?』
『本当は通信教育とか受けてみたいけど費用が…』
『生活のために手に職をつけたい!』という理由で医療事務の資格を取ろうと思っている人もいるはずです。
他の医療事務の簡単な資格試験であれば、ある程度の勉強量で合格することができますが…
診療報酬請求事務能力認定試験の資格試験はそう甘くはありません。
ちゃんと自分自身の知識として、診療報酬請求(レセプト)の用語や仕組みなどについて理解していないと問題が解けません。
その難しさは合格率となって表れており毎回の平均の合格率は約30%程度となっています。
10人受験したら7人もの人が落ちるわけです・・・
そんな難しい診療報酬請求事務能力認定試験を専門学校や通信教育を受けずに独学で合格ができるのでしょうか?
本記事では、現役の医療事務員であり、診療報酬請求事務能力認定試験を受験した事がある私の経験に基づき、独学でも合格できる具体的な勉強方法について紹介していきます。
※動画や音声のほうがいいな~という方はコチラを参考にされてくださいね。
どういった人が独学で診療報酬請求事務能力認定試験の合格を目指すのか
医療事務という仕事は、特に資格試験に合格していなければ働けないという職種でありません。
極端な話、資格を持っていなくても誰でも働ける職業となっています。
しかし…
そう甘い世界ではないのが医療事務の世界です!
簡単に働けるのであれば誰だって働いているし、なによりこういった医療事務資格が存在する必要もないはずです。
それだけ、医療事務という仕事は専門的な知識を必要としています。
なので多くの未経験者が、
- 結婚、出産、育児の事を考え将来的に医療事務を目指す
- 専業主婦などが社会復帰するため就職に有利な資格を取得する
- 学生が就職活動を有利に進めるため資格取得を目指している
など、いろいろな理由で将来的に医療事務を目指している人が多いのではないかなと思います。
しかし、これから医療事務を目指す人で未経験の方であれば、できるだけお金をかけずに独学で勉強する。
という選択肢も自然と出てくるでしょう。
独学で勉強する場合の流れはこんな感じ
先に診療報酬請求事務能力認定試験の勉強を独学で行うおおまかな流れを説明すると、
- テキストをそろえる(2冊で十分、後述します)
- テキストを流し読み、なんとなく肌で感じる程度
- 実技の過去問を複写してみる(この時点では内容とか全然わからないはず)
- 実技の過去問の回答を覚えたら、今度は実際に答えを見ないで書いて行ってみる
- 同じような要領で過去問を繰り返す
- 学科も過去問を繰り返しやる
ポイント
実技を先に勉強してマスターしてから学科の勉強へ移っていく。というのが、この試験勉強のセオリーです。
簡単な流れとしてはこんな感じです。
次から詳しく書いて行きます。
オススメのテキスト・問題集
独学で勉強をするなら、まずテキストをそろえなければ始まりません。
まず、最初に絶対に必要なものは『医学通信社 診療点数早見表』です。
これがなければ、実技ももちろんですが学科なんて絶対に解けません!
受験を受ける上で、必要最低限のものです。
あと、必要なのは同じ医学通信社の『診療報酬請求事務能力認定試験 受験対策と予想問題集』です。
これも同じく、試験勉強で外せないものになっています。
個人的には、この2冊があれば十分に独学で合格ができると思っています!!
あとは、あなたのやる気次第といったところでしょう。
参考記事 オススメのテキストと本をさらに詳しく解説した記事はコチラ
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【おすすめ本】医療事務の資格を独学で合格するために必要なテキストと本
続きを見る
テキストを流し読みする
医療事務の未経験者であれば、問題の内容はほとんどわからないと思います。
一番最初はパラパラと参考書と問題集をめくっていき、試験問題ってこんな感じなんだ~と肌で感じてもらう程度で構わないです。
目で見た感じだけでもいいので、試験問題に慣れていく!!ということが大事です。
ここに時間をかけるのはもったいないですからね!本番は次の項目からです!
実技試験の勉強方法
この段階は、まだまだ内容がいまいち掴めていないと思います。
なので、とりあえず”書いて覚える”という訓練をしていきます。
どういった事をするかというと、実技の問題の解答を見て、その解答を複写してみる。ということです。
ポイント
内容を覚えていなくても、書くことで覚えた用語というのは頭にインプットされますので、あとから問題で出てきても、「あの時でてきたやつだ!」なんて感じで記憶と直結しやすいです。
ただ、この書いて覚えるという作業は何回も行わず、時間もかけなくてもいいです。上記と同じで試験に慣れていく!という導入部分ですので、自分には必要ないと思う人は飛ばしても問題ないかと思います。
実技の解答を見ながら解いていく
実技試験の大体のイメージがつかめてきたら、今度は実際に自分で問題を解いていきます。
この段階でも、あまり分からない・・・というか解けないと思うので、問題を解答を見ながら解いていく!といった流れで覚えていきます。
上記でオススメした医学通信社の『診療報酬請求事務能力認定試験 受験対策と予想問題集』の実技の解答の中には、解説も入っていますので、各項目ごとに「この項目はこういった理由で、こういう風に記入するんだ」と少しずつ覚えていきます。
この作業を、同じ問題で何度も繰り返し行っていきます。
そして、一つの実技問題を解答を見ないで書けるようになったら、次の実技問題へ進んでいきます。
ここで、満点になるまで覚える必要はありません。だいたい、60~70%ぐらい正解できるようになれば、次の問題へ移ってもいいと思います。
ココがポイント
大事なのは、診療報酬請求事務能力認定試験の実技というのは、毎回、必ずと言っていいほど似たような問題が出題されます。
なので、出題される問題の形式さえ覚えてしまえば、いくらでも応用ができるということです。
もし、引き続き実技の問題を解いて行って、分からない項目が出てきても、基本は抑えているので、調べる数も少なくなるでしょうからね。これ以降は、わからない項目だけをピンポイントで勉強していく形になってきます。
ここの実技は勉強時間がめっちゃかかると思ってください。
過去問の実技を外来、入院合わせてやった場合
外来 1時間ぐらい(一回あたり)
入院 2時間近く(一回あたり)
これぐらいの時間は、最初のほうはかかると思います。
慣れてきて、解答を見ないでも解けるようになってくれば
外来 30分~40分
入院 1時間半ぐらい
これぐらいで完成させられるのではないでしょうか。
というか・・・
これぐらいのスピードで解けるようにならないと、本試験でも時間が足りなくなってしまいますので、解答していく体感時間も身につけていったほうがいいでしょう。
参考記事 実際に私が受験して時間配分で失敗した時の記事です。
この部分はちょっと長くなってしまったので、ポイントをまとめると
ポイントのまとめ
- 一つの実技試験を覚えるまで、繰り返し解答を見ながらでいいので解いていく!
- 毎回、同じ内容の実技試験なので、基本の流れを抑える!
- 実技の答案にかかる時間を体感で覚えていく
こんな感じになります。
実技試験の勉強時間
試験勉強の中で、実技の勉強は一番時間がかかります。
例:実技も過去問5回分を3回繰り返し行った場合
- 外来 1時間
- 入院 2時間
合計3時間 × 過去問5回分 × 各3回 =45時間
これはスムーズに実技問題を解けるようになった場合の勉強時間です。
最初のうちはこんなに早く解けませんので、これにプラス20時間ぐらいはみていた方がいいでしょう。
実技も勉強時間としては、少なくとも60時間以上はみていたほうがいいです。
数字上ではこれぐらいでよさそうですが、私の場合は物覚えが悪かったので、70時間ぐらいは実技に費やしたのではなかったかなと思います。
学科試験の勉強方法
学科については、この診療報酬請求事務能力認定試験については持ち込みが可能なのです。
だから…
そこまでの勉強時間は必要はないのかな~と思っていると痛い目をみますよ!
油断は禁物です!
私は、この学科のほうを侮っていたいたため不合格になったことがあります…
参考記事 試験に落ちた時の記事がこちら
学科の場合の勉強方法は、問題の回答を早見表からいち早く見つけるという部分がポイントになります。
この作業が意外と時間がかかります。
なので、過去問などを解いたときには、解いた箇所を早見表に蛍光マーカーや付箋、メモ書き等ですぐにわかるようにしておいた方がいいでしょう。
マーカーをつけておくことで、次に同じような問題が出たとしても「確かこの問題の答えはここらへんにあったな・・・」って探したときにすぐに見つけられますからね。
あと、学科の過去問は結構な割合で、同じような問題が出題されることが多いので、よりマーカーで抑えておいた方が早く調べることができますよ。
ポイント
早見表の”事務連絡”とかの項目があるのですが、意外とそういうところに答えがあることが多いので、そういった部分も注意して探してみてくださいね。
学科試験の勉強時間
学科の勉強時間は少なくとも10時間ぐらいはみていたほうがいいでしょう。
学科 1時間 × 過去問5回分 × 2回 = 10時間
最初のうちは、学科を20問解くのに、1時間以上はかかってしまいます。
なので、多く見積もって10時間ぐらいはみていたほうがいいでしょう。
本試験に向けて総仕上げしていく
実技試験、学科試験が解けるようになったら、後は総仕上げで時間配分を決めていくという事を行います。
試験時間内で終わらせるというのは、とても重要です!
診療報酬請求事務能力認定試験は試験時間は3時間となっています。
初めて聞いたときは『長い試験だな・・・』
なんて思いますが、実際に勉強してわかりますが、『試験時間が全然足らない!!』『本当に3時間で終わるの?』というような試験時間です。なので、時間配分というのは本当に重要です。
自分が、実技の入院、外来、学科のどこに時間がかかり、どこが早くできるのかという事を把握しておく。
- 入院には1時間半
- 外来には30分
- 学科には1時間
といった自分の回答スピードにあった時間分配を行います。
上記は一般的にオススメとされる時間配分です。
この事を踏まえて、最終的に過去問や模擬試験を行い、時間内で試験を解いていく。
合格点である約70%以上が取得できていれば、合格はもうすぐ目の前です。
未経験者が独学で診療報酬請求事務能力試験に合格するためのまとめ
診療報酬請求事務能力認定試験は、難易度が高い資格となっています。
未経験者が独学で合格するにはハードルが高いと思っていた方がいいでしょう。
実際に、医療事務経験者や専門学校に行っていても落ちることはありますからね。
大事なのは、継続して勉強を続けていくということです。
どんなに最初は難しく感じても、継続して勉強を続ければ合格できます!!
独学はお金がかからない分、勉強時間がめっちゃかかりますが、
- お金をかけれない
- 時間はつくれる
- 別に合格は急いでいない
と思う人は独学で頑張る!で十分だと思います。
資格取得のための勉強方法は人によって様々ですが、目的はみんな”合格すること”だと思います。
せっかく試験勉強するのであれば”合格”という勉強した証を残したいものです。
この記事が参考になったら幸いです。頑張っていきましょう!!
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