算定の実例集

培養同定検査と細菌薬剤感受性のレセプト算定方法と患者への費用の請求

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培養同定検査と細菌薬剤感受性の検査は、項目としては別々の算定となっていますが、だいたいの場合はセットで算定する事が多い項目です。

これらを算定する場合には、注意する点がいくつかあります。

一つづつの算定なら、特に問題はありませんが、培養同定検査と細菌薬剤感受性をセットで行うことで発生する特殊なケースなどもありますので、そうったときの対策をまとめていきます。

 

また、『そもそも培養同定検査と細菌薬剤感受性の算定方法が良く分からない』という人向けにも書いてありますので、わかりやすくまとまっているので参考になると思います。

 

培養同定検査とは

この検査は、身体の菌の有無を調べる為のものです。

簡単に言うと、検体(穿刺液などの検査の対象となる、身体から出るものの一部)を培養(成長、育てて)菌をはっきりとさせ、菌の有無を確認します。

 

これは、算定としては検体の採取箇所により点数が異なってきます。

項目としては

  1. 口腔、気道又は呼吸器からの検体 
  2. 消化管からの検体
  3. 血液又は穿刺液
  4. 泌尿器又は生殖器からの検体
  5. その他の部位からの検体
  6. 簡易培養

上記の中から採取した検体に併せて、算定をしていきます。

 

算定するときの注意点

  • 検体が関節液(穿刺液)の場合は、関節穿刺も算定します。ただし、通常と同じように関節穿刺と関節注射を同日に実施していた場合、関節穿刺は算定できません。
  • 陰性(菌が出なかった)の場合も算定できます。
  • 細菌培養は週に1回を目途に実施しないと、それ以上は査定傾向にあります。

レセプトへの記載

症状等から、同一の菌によるものと判断される場合であって、当該の菌を検索する目的で、異なる部位から又は同一の部位から検体を採取した場合は、主たる部位又は1箇所のみの点数を算定します。

ただし、血液液については2回まで算定できます。

 

これらは、絶対に1回しか算定できないのかというと、そういうわけではなく、2箇所から検体を採取しても同一起因の菌でなければ、それぞれ算定できます。この場合は、レセプトにどこの部位の検体か分かるように記載しなければいけません。

 

細菌薬剤感受性検査とは

培養同定検査で菌が検出された場合、何の菌か調べて、抗生物質製剤の選択や投与量などを判断していきます。

菌が検出された場合のみ、算定できる検査になります。

 

培養同定検査との算定の順番としては

「細菌培養同定検査」を算定 → 結果が出てから後日「細菌薬剤感受性検査」を算定

といったように、「細菌薬剤感受性検査」は後日の算定になります。

 

患者への請求方法

菌が出なければ、細菌薬剤感受性の費用は患者さんへは請求はできません。

 

しかし、菌が出た場合で、培養同定検査を実施した後日に患者さんが来院しなかった場合は、「細菌薬剤感受性検査」は患者さんから費用を徴収ができなくなってしまいます。

医療機関としては、保険請求分はできるけど、患者からは一部負担金が徴収できなくなってしまうので、検査費用が損になってしまうということです。

次で、その対応策を書いて行きます。

 

対応1 先に費用を徴収

上記を防ぐための対策として、先にの一部負担金を仮でもらっておくという手段もあります。

結果として菌が検出されなかった場合は、医事側の「細菌薬剤感受性検査」入力を削除して、患者さんへ返金処理を行うというものです。

 

対応2 後から確実に請求できる体制を整える

上記では先に一部負担金をもらっておくという方法ですが、もうひとつは、後から確実に患者さんから徴収できる体制を整えておく。ということです。

例えば、私の病院では、このような案内を「細菌培養同定検査」を実施した段階で患者さんへ渡し、説明をおこなっています。

患 者 様 へ

 

本日、細菌の有無を調べる検査を実施しました。

患者様より採取した検体から細菌が見つかった場合、「細菌薬剤感受性検査」を追加実施いたします。

この検査は、見つかった細菌に対して有効な抗生物質を調べるものです。

したがって、細菌が見つからなければ行わない検査ですので、本日の検査代に「細菌薬剤感受性検査」の検査費用は含まれておりません。

検体より細菌が検出され、「細菌薬剤感受性検査」が追加実施された場合、請求の連絡及び後日患者様が受診される時に併せて検査代を請求させていただきますので、あらかじめ御了承下さい。

 

H  年  月  日

○○病院

電話番号       

こういった事前の案内を行うことで、追加で費用が発生しても患者から文句を言われることはありません。

 

さらに、「細菌培養同定検査」実施以降、来院がなかったとしても、電話連絡等で

『結果が出たので、結果を聞きに来てください。』

もしくはストレートに

『検査のお金を支払いに来てください』

と言える訳です。

あと、できるだけ「細菌薬剤感受性検査」の結果が早く分かるように、医事課と検査課との連携も重要になってきます。

 

実日数1日の場合のコメント

実日数1日で「細菌培養同定検査」と「細菌薬剤感受性検査」を算定している場合は注意が必要です。

通常は結果が出て、説明まで含めて最低でも実日数2日は必須です。

なので、1日の場合はコメントをつけてあげます。

例としてこういった感じです。

『細菌培養同定実施後、同月内に再度来院がなかった為、実日数1日で細菌薬剤感受性を算定しています。』

 

月またぎで「細菌薬剤感受性検査」算定のコメント

「細菌培養同定検査」を算定後、月をまたいで「細菌薬剤感受性検査」を算定する場合も注意が必要です。

例えば、

1/30に「細菌培養同定検査」を実施

2/2に「細菌薬剤感受性検査」の結果が出て算定

となった場合は、月が違ってくるので、レセプトも別々になってしまいます。

 

また、翌月に算定した際に実日数が0日の可能性もあります。

なので、なぜ別々のレセプトで算定なのか、わかるようにコメントをつける必要があります。

例として、翌月のレセプトに

『○年○月○日に細菌培養同定検査を施行しました。』

といった感じで記載します。

 

まとめ:算定も大事だが費用の請求もしっかりする

  • 「細菌培養同定検査」と「細菌薬剤感受性検査」はセットで行う
  • 「細菌薬剤感受性検査」については、菌の結果次第で算定できる、できないが分かれる
  • 患者さんへの一部負担金の請求方法は、請求漏れを防ぐため各病院で方法を決める

といった感じになってくると思います。

費用の徴収方法については、各医療機関でしっかりと決めておかないと、クレームに発展する恐れがあるので注意していきましょう。

 

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