という経験をしたことがある医療機関(医療事務員さん)は多いかと思います。
しかも、一件や二件ぐらいならまだしも、大量に査定や返戻をされてしまうことがあります。
まったく同じ方法でレセプト請求で行っているにも関わらず、なぜ急に(突然)査定や返戻がされてしまうのでしょうか。
本記事では、その理由についてまとめてみました。
レセプト担当の審査委員が変わった
一番、考えられるケースとしては担当審査委員又は職員が変わった。ということでしょう。
同じ項目でも、
- A先生の判断はOKでも、
- B先生の判断はダメ
といった感じです。
このような場合の大量減点は、基金や連合側としても職員が審査委員と照会・確認するなどして、こういった事例を無くす努力をしているようですが、コンピューターチェックが行われるようになってからは増加傾向にあるようです。
また、審査委員会の審査基準の差異は現実にあるようです。
出身医学部や臨床経験に基づく理学的見解の違いにより、差異が生じるのはある意味では当然のことであって、これを解消することは極めて困難なことと考えられます。
教育的返戻という意味合いもある
上記のように審査の先生が変わった時や、支払基金・国保連合などの審査方法が変わったときなどに、『今後はこういった事例に対しては査定・返戻していきますよ』といった感じの事前通告のようなものです。
一度、返戻査定してしまえば医療機関も今後はそれに対応した算定を行うだろう
という審査機関の狙いだと思います。
ただ…
私の場合はそれが分かっていても、無理やり同じ方法でレセプト請求を行うことがあります。
ちゃんと行った治療行為に対しては、診療報酬を出すべきと考えています。
注意ポイント
でも、コメントとかを考えるのも大変なので、査定返戻されたら『今後はこの項目は算定しない』といった感じでも構わないのかもしれません(今後も査定返戻される可能性が高いわけですからね!!)。
医療機関の審査ランクが上がった
審査機関は、医療機関ごとにランク付けをしています。
その中で、『この医療機関は査定返戻が多いから、細かくチェックしていかないとな』とか、
反対に査定返戻が少ない医療機関に対しては、『この医療機関は間違いも少ないし、チャックは簡単でいいな』的な感じです。
(だいぶざっくりと書きましたが・・・)
ここらへんのランクが変わったことで、一機に審査の基準が厳しくなるということもあるようです。
ただ、ここに関しては医療機関側で判断することは難しいので、「もしかしたランクが変わったのも・・・」と思うぐらいでいいかと思います。
今後の対策
医療機関側(医療事務員)として行えることは、実際に査定や返戻が来てみないとわかりませんが、いままで通っていた算定項目が査定返戻された場合は再請求を行うべきです。
それでもまた査定返戻されたら、もう一度、再請求を行うべきです。
それでもダメなら、そのときは諦めるしかないかもしれません。
しつこくやって連合や基金に目を付けれられるのも嫌ですからね・・・
一番良くないのは、査定返戻されたからといって、調べもせずにそれを受け入れてしまうことだと思います。
点数が高い項目が査定されたら病院としても、大きな打撃となりますので、慎重な対応が必要です。
まとめ:個人的な見解
支払基金や国保連合に対しては、今後、改善していく余地はあると思います。
減点か容認かという、現実の問題で考えると医療機関の診療方針に直結する問題だけにいきなりの大量減点は問題があります。
少なくとも、審査委員会の内部で見解を統一するなり、事前に医療機関と懇談する配慮が求められています。
それこそ、基金や連合が強調する審査委員会での審査決定に沿った対応が必要でしょう。
いずれにしても、このようないきなりの大量減点は見過ごすことなく、審査委員会に説明を求め納得できない場合は再審査請求することが必要です。
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